「58だから思い出す」 石川遼が目指す“過去の自分”

<中日クラウンズ 事前情報◇1日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース (愛知県)◇6557ヤード・パー70>

先週、日欧共催大会の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」で石川遼はまさかの予選落ちを喫した。そこから1週間。気持ちを切り替え、2010年覇者として名を残す“東洋のマスターズ”の舞台で戦う。
決勝行きを逃した原因は、オフに取り組んだトレーニングの影響で伸びた“飛距離のコントロール”だった。「試合で『俺は飛ばせるんだ』って思いながらやったときに、スイングが少し悪くなっていた」。週末は大会中に崩れ始めたスイングを修正することに意識。「必死に直す4日間」と火曜日まで入念に調整を行い、水曜日はプロアマで18ホールを回った。

だが、今シーズンのテーマの一つである“スピードアップ”には成長が感じられた。「飛距離に関して、少し焦りはなくなったかなという感じはします。スピードを上げられたという体験はできたので、それをコツコツやっていけば、数カ月後にはいけるかなというイメージでまたやろうと思ってます」。前向きな姿勢を見せ、今週は必死に直したスイングで挑んでいく。

優勝した10年大会では最終日に世界最少ストローク「58」をたたき出した。当時を振り返ると。「迷いがない、(気持ちを)割り切っていた」と勝気よりもその日に意識するテーマだけを考えて大会に臨んでいた。「細かくあまり考えていなかったこともあるし、ドライバーでこの球を打つんだみたいなことをテーマにしてやっていた」。その頃に比べると今は考えることが増えて“迷い”が生じ、プレーに影響されている可能性が高いという。

それから14年が経った。「いい思い出を更新していきたい」という気持ちは変わらず、速くて硬い難易度の高いグリーンは今年も強敵。「難しいと常に思っている」和合の攻略を図る。

「58だからこそ、思い出しやすいのかもしれない」。この和合は石川の本来の強さを思い出させる場所とも言える。「自分の判断を信じて最後までやり切るみたいなところ」が今の石川が目指す位置。過去に世界的記録を生み出した舞台で、自身を取り戻すきっかけをつくりたい。(文・高木彩音)

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