お目覚めの30mパット決め「カッコつけてみました(笑)」 シャンクもあったけど…勝みなみが“劇場型ゴルフ”で優勝争いへ

<シェブロン選手権 2日目◇19日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>

まさに目が覚めるようなプレーで一日をスタートしたのは、初日を2位で終えていた勝みなみだ。午後組の日本勢トップで1番から出ると、そこで30メートルのパットを決めてのおはようバーディ。見る者を驚かせるプレーだったが、本人はというと“ドヤ顔”で右手を高く挙げている。
ただこの時の心境はというと「もうなんかビックリ」。それでもグリーンの端から端を横断するボールを見送る間に、こんな確信もあったという。「途中から『ラインに乗ってるわ』と思ってました。タッチもすごくいい感じだったから外れても1メートルぐらいかなって。それで入った瞬間は『やっぱり』みたいに、ちょっとカッコつけてみました(笑)」。驚きを、つとめて冷静に対処した、という感じだった。

前半は4番でもバーディを積み上げたが、超ロングパットを決めた後はピンチを切り抜けながらのラウンドだった。2番ではバンカーから50センチに寄せてナイスパー。6番でもティショットを木に当てながら、最後はアプローチを2.5メートルに寄せてそれを決めた。7番も2.5メートルをねじ込んで拾ったパーだった。「最初に2つバーディが来て、ピンチも続いたんですけど、うまくパター、アプローチでしのいで。ほんとにきょうはパターに救われた1日でした」。パット数の『26』は、アプローチから1パットで決めて耐えるシーンも多かったことを語る数字だ。

後半に入ると、そんなガマンのムードを断ち切りそうなミスも出てしまった。それが11番パー4。フェアウェイからの2打目がシャンクし、ボールは大きく右へ飛び出した。そこからアンプレヤブルを挟んでのボギーは、さすがに“こたえた”という。「シャンクを引きずって、ショットが安定しなくて イメージが悪くなっちゃった」。12番、14番のボギーは、そのひとつのミスに引っ張られたもの、ともいえる。

それでも16番、18番でバーディを奪い返し、最終的には首位と3打差のトータル5アンダー・5位タイで決勝ラウンドに進むことができた。立て直しに成功できたのは、逆転の発想があったから。「シャンクって出そうと思っても出ないもの。出るんじゃないかって怖がるより、出すイメージで。そう思ったって出ることはないですもんね」。これをきっかけに、すこし強張っていたスイングが力強さを取り戻した。

最終ホールも、グリーン奥ラフから難しい体勢で打ったアプローチを2.5メートルまで寄せ、それを決めたもの。この日のいい部分が詰まったバーディで締めくくれば、イメージもいい。波乱万丈の“勝みなみ劇場”はメジャーの舞台でも健在。だが、それでも粘り強さを発揮し上位を維持する底力は、さすがの一言といえる。そしてここから本格的にメジャーでの優勝争いに身を投じることになる。

「優勝争いは去年もあまりなかったし、 すごく勉強になることもたくさんある。ゴルフ人生の経験になると思うし、これからどんどんうまくなりたい。勝ちたい目標もあるし、いろんなものを吸収して、それを生かせたら優勝も夢じゃないと思う。狙って頑張りたいです」

上を見ると3位には出場試合4連勝中で現世界ランク1位のネリー・コルダ(米国)がいて、世界1位経験者のアタヤ・ティティクル(タイ)らがトップにも立っている。メジャーらしい強豪がそろったリーダーボード上位だが、「自分がどういうプレーをして1つでもバーディを取るかが大事。そこを意識しながら頑張りたいと思います」と、恐れることなく戦いきるつもりだ。(文・間宮輝憲)

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