稲見萌寧がメジャー前に敢行した“大改革” 「ドライバーとパター以外、全替えしました」

<シェブロン選手権 事前情報◇16日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>

米ツアー参戦後、初のメジャー大会を迎える稲見萌寧は、大舞台を前に“大刷新”を敢行した。先週の火曜日から現地に入り調整を続けているが、メジャーウィークに入った15日(月)に、「急きょ」クラブをガラリと変更したという。
ここまで7試合に出場し、最高順位は1月に行われた「LPGAドライブオン選手権」の8位。直近で出場した2週前の「T-モバイル・マッチプレー」も変則的な大会ながら12位タイと、まずまずの成績を残しているように見える。ただ本人のなかでは「調子が悪いというより、コースに対応しきれてない実力不足がある」という感覚は拭えない。特に強く感じるのが「日本のコースで合わせたクラブセッティングがこっちでは全然合わない」という部分。

パターについては3月の中国戦「ブルーベイLPGA」で、“代名詞”ともいえる三角ネックのトラスパターからツノ型パターに変更していたが、今回は「ドライバーとパター以外、全替えしました」と驚きの報告をした。例えば、3番ウッドとユーティリティはテーラーメイドの『ステルス2』から、同社の最新モデル『Qi10』に変更。アイアンは、ヘッドこそミズノの『Mizuno Pro 243』のままだが、スチールとカーボンの混合シャフトだったものをスチール製に戻した。他にもウェッジの度数とバンス角、さらにユーティリティについてはシャフトも替えて今季初メジャーに臨む。

これだけ替えると、当然ながら感触は大きく異なる。「アイアンは打ち出し角度を高くしてスピンを減らすために替えた。これまではアゲインストに負けて、吹きあがっていたけど、それがないようなクラブにしました。球質は変わりました。上に飛んでいたのが、前に行くという感じ。フォローとアゲインストでもそこまで変わらない」。これが米国ツアーで戦うなか感じていた“弱点”を克服するため、今できる最良の組み合わせになる。

メジャー大会を前に、ここまで急にクラブを替えることには勇気が必要になりそうなもの。ただ、それには「今までのままでは絶対に自分でなんとかできる感じではなかった。ピンを狙いたいのに狙えないということが多くて、グリーンをわざと外すという選択をしないといけない状態でもあった。完全に直ったわけではないけど、2~3ヤード違うだけでだいぶ変わる」という事情や思惑がある。最善を尽くし、この結果が導かれた。

確かに「芝質がバミューダ系。グリーンもすごい硬いし、パー3は横長のグリーンが多くてアイアンもなかなか止まらず、ピンを狙っていけない」と話すコース攻略にもそれは有効そう。16日はプロアマに出場し、新たなクラブたちとともに9ホールをプレー。あと一日で、できるだけそれらを手になじませていく。海外での生活は、「慣れた部分もあるし、最初から楽しかった」とその笑顔が消えることはない。あとはこの大きな決断を、最高の結果につなげたい。(文・間宮輝憲)

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