スライサーがよく言われる「右から左へ対角線に狙えばコースを広く使える」はNGでした!

ティショットで「スライサーはティの右側に立ち、左サイドの目標(フェアウェイの切れ目)を目がけて打つ」というセオリーがあります。スライサーは右から左へ“対角線”で打ち出す方が、コースを広く使えて右に曲がってもフェアウェイをキープしやすい、という理論でしょう。しかし“対角線”で攻める方法が成功するのは、左サイドの目標方向へ正しく構えられ、球をどこへ打ち出してどう曲がるかをイメージできるプロや上級者だけです。
一般アマチュアは左サイドの目標を向いても林が見えると「あの林に入れたくない」という心理が働くものです。すると、球をフェアウェイの方向へ打ち出そうとして手が前に出てフェースが開いて当たり、右に出て右に曲がるプッシュスライスになります。またはアドレスで左サイドの目標へ向き切れず、クラブは左に振ってカット軌道となり、より曲がりの大きい“引っかけスライス”が出ることもあります。弾道をイメージできない人が“見える情報”に引きずられて起きるミスといえます。

“打ちたい方向”と“向く方向”を一致させれば曲がりが少なくなる

そこでスライサーが取るべき作戦は、“対角線”ではなく“平行線”で攻めることです。ティイングエリアの左側に立ち、コースに沿ってアドレスして、そのままフェアウェイの左サイドを目がけて打つ。フェアウェイの右側にスペースを残せば、スライスしてもラフまで行きません。

何よりも、このように“打ちたい方向”と“向く方向”が一致すると軌道がブレず、曲がりが少なくなります。練習場では打席のマットやサイドのネットと平行して、真っすぐ向いて真っすぐ打つ人が多いでしょう。コースでも、打ち慣れた練習場の形に近づけてあげるのです。
加えて、この“平行線”の攻め方は、今どきの大慣性モーメントのドライバーと好相性です。インパクトでフェースが向いた方向へボールが真っすぐ飛んで行きやすいので、“打ちたい方向”と“向く方向”がそろえば、フェースを目標に向けて当てやすいし、大きくスライスすることを防げます。

■中井 学
なかい・がく/1972年4月14日生まれ、大阪府出身。ケガによって片手でゴルフをした経験が、コースマネジメントの開眼につながった。YouTubeで「中井学ゴルフチャンネル」を開設して、自身が培ったノウハウを積極的に配信する。

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