7年前のリベンジ目指すアーセナル…強力CBコンビは最大の”天敵”ケインを抑えられるか?

 日本時間の10日早朝、いよいよチャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝の戦いが幕を開ける。

 7シーズンぶりに本大会参戦となったアーセナルは、PSV、RCランス、セビージャと同居したグループBを4勝1分1敗の成績で首位通過。ラウンド16ではポルトとのPK戦に及ぶ死闘を制し、14年ぶりのベスト8進出を果たした。そして、現地時間3月15日に行われた抽選の結果、準々決勝の対戦相手はバイエルンに決定した。

 因縁深い顔合わせだ。アーセナルはCLの舞台でバイエルンと過去12度対戦しており、3勝2分7敗と大きく負け越し。2016-17シーズンのラウンド16では、2戦合計2-10という衝撃的なスコアで敗れている。この試合を最後に、アーセナルは実に6シーズンもの間CLから遠ざかり、国内リーグでも不振が続いた。ミケル・アルテタ監督の下で復活を遂げ、欧州最高峰の舞台への返り咲きを果たした今大会、奇しくも7年越しの“リベンジ”の機会が訪れた。

 両チームの現状は対照的だ。アーセナルが攻守に渡って堅実なパフォーマンスを披露し、リヴァプールとマンチェスター・シティを抑えてプレミアリーグ首位に付けている一方、バイエルンは不安定な戦いが続いている。DFBポカールでは3部のザールブリュッケン相手に不覚を取り、12連覇を目指すブンデスリーガでは、6試合を残した現段階で首位レヴァークーゼンとの勝ち点差が「16」に拡大。現実的に獲得可能なタイトルはCLのみとなっている。

 直近でも2連敗を喫するなど不振に喘ぐバイエルンだが、心強いのは昨年夏に加入したイングランド代表FWハリー・ケインの存在だろう。30歳のストライカーはアーセナル戦を大の得意としており、トッテナム在籍時には公式戦19試合で14ゴール3アシストをマーク。ファーストレグの舞台『エミレーツ・スタジアム』でも何度もゴールネットを揺らし、ホームサポーターを絶望の淵に追いやってきた。イギリスメディア『スカイスポーツ』も、勝敗の鍵を握る選手としてケインを挙げ、「ケインは再びアーセナルを攻撃するのか?」と伝えている。アーセナルとしては、ケインを押さえ込むことこそが勝利への近道となるだろう。

 期待がかかるのはフランス代表DFウィリアン・サリバとブラジル代表DFガブリエウ・マガリャンイスのセンターバック(CB)コンビだ。アーセナルは今年に入り、リーグ戦11試合での失点期待値が僅か「4.98」。優勝を争うリヴァプールおよびマンチェスター・シティのデータを見ると、前者が「13.56」、後者が「12.28/12試合」となっており、アルテタ監督率いるチームの堅守が際立っている。その中でも、サリバとガブリエウは互いに強さと速さ、高さを兼ね備えたCBコンビとして、最終ラインで抜群の安定感を誇る。現地時間3月31日に行われたマンチェスター・シティ戦では、“怪物”の異名を取るノルウェー代表FWアーリング・ハーランドを完璧に抑え込み、敵地での勝ち点獲得に貢献した。

 アルテタ監督は「過去10年間の成績を見ると、彼の成し遂げてきたこととパフォーマンスの一貫性は信じられない」とケインへの警戒感を示しつつ、「我々が集団で行動し、特定の事柄を推進することが最善だ」と語る。果たして強力CBコンビを中心としたアーセナルの守備陣は、“天敵”とも言えるケインを抑えることができるのか。注目の一線は日本時間10日の午前5時にキックオフを迎える。

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