“無冠危機”のバイエルン…FWミュラーは強敵集うCLへ意気込み「正に我々が進むべき道」

 バイエルンが無冠の危機に瀕している。トーマス・トゥヘル体制2年目を迎えた今シーズンは序盤から不安定な戦いが続き、残り7試合となったブンデスリーガでは2位につけているものの、首位レヴァークーゼンとの勝ち点差は「13」。逆転での12連覇達成は極めて困難な状況で、トゥヘル監督も「レヴァークーゼン、おめでとう」と白旗を上げている。

 また、リーグ開幕に先立ち行われたDFLスーパーカップではライプツィヒに敗れ、DFBポカールでも3部のザールブリュッケン相手に不覚を取り、まさかの2回戦敗退。数字上は逆転でのリーグ優勝の可能性も残されているが、現実的に獲得可能なタイトルは準々決勝を控えるチャンピオンズリーグ(CL)のみとなっている。

 バイエルンでこれまで通算699試合の出場で239ゴールをマークし、数々のタイトル獲得に貢献してきたミュラーは、クラブの現状をどのように見ているのだろうか。4日のドイツメディア『スカイスポーツ』は、メールマガジン『Muller Mail』に掲載されたコメントを紹介。同選手は「順位表の状況に関して憶測の余地は残されていない」と前置きしつつ、ブンデスリーガの優勝争いについて次のように綴っている。

「レヴァークーゼンは弱みを見せておらず、僕たちも結果を残すことができていない。彼らの土壇場での勝利、そして我々がドルトムント戦(0-2●)で見せた不甲斐ないパフォーマンスは、残念ながらこの図式に当てはまっている。従って、優勝はおそらくレヴァークーゼンだろう。我々が良いパフォーマンスを見せられなかったこと、そして自分たちのポテンシャルをほとんど発揮できなかったことにフラストレーションを感じているよ」

 ファーストレグを現地時間9日に控えたCL・準々決勝の対戦相手はアーセナル。過去の対戦成績では圧倒しており、最後に対戦した2016-17シーズンのCL・ラウンド16では2戦合計10-2という衝撃的なスコアを収めた。しかし、近年のアーセナルはミケル・アルテタ監督の下で復活を遂げ、2シーズン連続でプレミアリーグの優勝争いに加わるなど、現在のバイエルンにとって決して簡単な相手ではないだろう。さらに、仮にアーセナルを退けベスト4に駒を進めたとしても、準決勝の相手はマンチェスター・シティまたはレアル・マドリード。決勝の地『ウェンブリー・スタジアム』まで茨の道が続く。

 ミュラーは準々決勝の対戦相手について「もはやバイエルンがこれまで自信を持って戦ってきたアーセナルではないし、大変な作業になるだろう」としつつ、「ガナーズ(アーセナルの愛称)に勝つと確信している」と強調。その上で「抽選結果を知っている人であれば、我々が決勝に至るまで困難な道を辿らなければならないと知っている。しかし、それが正に我々の進むべき道なのかもしれない」と意欲を示した。

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