ショットマーカーを貼って5球 永井花奈がドライバーの打点チェックを日課にしている理由

プロ9年目の永井花奈は、ドライバーにショットマーカーを貼って打点を確かめることを日課にしている。始めたのは2年前、プロコーチの青山充氏に言われたのがきっかけだった。ミート率も分かる『トラックマン』や『GC4』など弾道測定器を試合会場に持ち込んでいる選手も多いが、なぜアナログな作業を行っているのか聞いてみた。
「21年にシードを落として、ドライバーが一番曲がってチーピンしか出なくて、どうしようもなかった。いいスイングができていても、球が右に左に飛んでいったら理由が分からない。どこに当たったときにどこに曲がるのか。『打点も感覚で分かるようにして方がいいよ』と青山さんに言われたのが最初でした」

使うショットマーカーは1枚だけ。それをドライバーに貼って毎回5球打つ。「青山さんにはコースでドライバーを14回打つことを想定して『15球』って言われたんですよ。だけど、私は集中力がもたなくて(笑)。打点も重なりすぎて分からなくなっちゃうし、5球くらいがちょうどいいなと。勝手に1枚になっています」と笑う。

アマチュアは意識しても5球連続でドライバーの芯に当てるのは難しいが、ツアープロが練習場の同じ景色のなかで芯に当てること自体は難しくない。「しっかりターゲットを決めて、距離を出して打ったりとか、打った後すぐに『ヒールだったかな』と想像しながら見るのも大事です。練習では真ん中に上手く当てられていて、コースに行ったら当たらないほうが困るので」と、試合で打つことを想定しながら5球打つことを心がけている。

そうしているうちに、「先(トゥ)に当たったら重たい感じで、ヒールに当たったらスライスになる」と、試合中に出たミスショットから打点を想像したり、当たった感触から弾道を予測することができるようになった。その結果、「左が怖いロケーションではヒールに当てて、間違いなくチーピンとか、つかまり球をなくすような選択肢も増えました」と語る。

永井は5球連続で打ったショットマーカーの打痕を必ず写真に撮って記録している。ほとんど芯に当たっているときもあれば、ヒール寄りに当たっている日、トゥ寄りに当たっている日もある。だとしても、どこに当たってどんな球が出ているかが分かれば、コースでの不安は少なくなるのだ。

■永井花奈
ながい・かな/1997年生まれ、東京都出身。17年の「樋口久子 三菱電機レディス」でツアー初優勝。2020-21年シーズンに3年間守ってきたシードを落としたが、22年はメルセデス・ランキング14位でシード返り咲きを果たした。

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●「アイアンが苦手」という永井花奈は、インパクトで詰まる動きを解消するため、野球の動きをゴルフスイングに応用している。関連記事【アイアンが苦手な永井花奈が取り入れたティバッティング】をチェックしよう。

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