LIVゴルフは『世界ランキングポイント』獲得申請を取り下げ ノーマン「メジャーは公平に出場機会を」

LIVゴルフのCEO、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)は5日、世界ランキングポイント獲得の申請を取り下げたことを選手に伝えた。

2022年に開幕したサウジアラビアの政府系ファンド、PIFがバックアップする同ツアーは、昨年7月に『オフィシャル・ワールド・ゴルフ・ランキング』(OWGR)にポイント獲得を申請。しかし10月に却下されていた。OWGRのピーター・ドーソン会長は「他のツアーと同様なフォーマットでプレ−されていない」と、54ホールで予選落ちなしの大会形式をその理由に挙げていた。

そして開幕から同ツアーが抱いてきた念願を、今回諦めたことになる。ノーマンは「申請の取り下げを決断することは簡単ではなかった。この18カ月間、OWGRの理事らと対話を続けてきたが、LIVゴルフと選手にとって、現行の世界ランキングシステムがベストな道ではないと分かった」と説明した。

現時点で世界ランキング50位内に入っているLIVゴルフの選手は、3位のジョン・ラーム(スペイン)、17位のティレル・ハットン(イングランド)、30位のブルックス・ケプカ(米国)、50位のキャメロン・スミス(オーストラリア)の4人だけ。LIVゴルフでプレーする選手は同リーグのプレーにおいてはポイントが得られず、その結果ランキングは下降の一途をたどっている。

「もはや世界ランキングは正しいランキングではない」とノーマンは続ける。ポイントを獲得できなければ世界ランキングからのメジャー出場は厳しくなるが、ノーマンは「各メジャーが公平に選手に出場機会を与えるよう対話を続けて行く」とも話している。

同ツアーで今季2勝を挙げる、現在世界ランキング76位のホアキン・ニーマン(チリ)は、メジャー初戦の「マスターズ」、第2戦の「全米プロ選手権」の特別招待を受けている。また7月の「全英オープン」は昨年12月にDPワールド(欧州男子)ツアーを制したことから、4大会中3大会の出場が決まっている。今回の決定により、LIVゴルファーは今後も“別ルート”から大舞台出場を模索することになりそうだ。(文・武川玲子=米国在住)

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