お祝いのおもてなし料理~もろこ寿司-岐阜県海津市

 

岐阜県海津市には、古くから川魚が身近に獲れることから、お祝いやお祭りになると、おもてなしの料理としてもろこ寿司を作ってふるまっています。もろことは、コイの仲間の小魚で、お砂糖(ざらめがお勧めです)・醤油・お酒であめ色になるまで煮詰めます。煮詰めたものを木の箱の形をした型に、木の葉を敷いたうえに、すし飯を盛り付け、その上に煮詰めたもろこをのせて、箱寿司にします。さらにその上に木の葉をのせて、木の箱のふたをして何時間かおいておくと、もろこ寿司の完成です。

それぞれの家庭によって、もろこののせる量が違ったり、お寿司にもろこだけでなく、盛り付けの時に錦糸玉子をのせたり、昔ながらの家庭料理の味です。多くの人数が集まったときに、そのお寿司を囲んで語らいながら楽しむ、懐かしい郷土料理でもあります。

今では、残念ながらもろこ寿司を作ることは減ってきてしまいました。川魚がなかなか大量に獲れなくなったことや、川魚自体をあまり家庭の食事で食べなくなってしまったことが原因といわれています。素朴ではありますが、昔ながらのもろこの何とも言えない、飴煮にした甘さと、少しほろ苦さがある料理です。

[写:克年 三沢@flickr]

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