「ロシアの高性能機を次々撃墜!」ウクライナは手放しで喜べない? 変化しつつある戦場の空

ウクライナ空軍が連日に渡りロシア軍の戦闘機を撃墜したと発表したと発表。一体どのような装備で撃墜したのでしょうか。

パトリオットミサイルシステムを活用か?

 ウクライナ空軍は2024年2月21日、ロシアのSu-34戦闘爆撃機を1機撃墜したと発表しました。これに先立つ17~19日にかけても、ウクライナ東部を中心にSu-34を4機、Su-35マルチロール戦闘機を2機撃墜したと発表しており、ここ数日で計7機の航空機を撃墜したことになります。

 2022年2月にロシア軍がウクライナへの本格的な侵攻を開始して以降、序盤の首都キーウなどを含む複数拠点への大規模攻撃後としては、珍しい撃墜記録です。というのも、ロシアは侵攻序盤で多数の航空機を失ったため、現在は、ウクライナ側の防空網に侵入しない距離で、滑空爆弾を搭載して航空支援を行っているからです。 さらにSu-35は現状、ロシア軍が戦場に投入している戦闘機の中では最も新しいタイプの機体になります。Su-34に関しても、遠距離での地上攻撃の要となっている戦力で、ロシア軍にとってはかなり貴重な戦力を多数失ったことになります。 ウクライナ軍は撃墜方法について明らかにしていませんが、アメリカやドイツから供与を受けたパトリオットミサイルシステムである可能性が高いと報じられています。 ウクライナは少なくとも3基の同システムを保有しています。ひとつは首都キーウの防衛用として、もうひとつはハルキウなどを守る東部に配備されているとみられていますが、残る1基は比較的頻繁に動いているといわれており、このミサイルシステムが、ロシア軍の航空機を撃墜可能な距離に近づいた可能性もあります。 ただ、同ミサイルシステムは2023年末から弾薬不足が懸念されています。12月22日にはアメリカが日本からパトリオットのPAC-3弾を買い取り、余剰となったPAC-2弾をウクライナに供給する方針が決まるなどしていますが、依然として不足は解消できておらず、敵機相手に頻繁には使えなくなってきています。 アメリカのシンクタンク・戦争研究所(ISW)は2月18日、ロシア空軍がアウディイウカ攻略戦で一時、局所的な制空権を確立し、ウクライナ侵攻後で初めて地上部隊への近接航空支援を実施したと発表しています。ウクライナ軍は今後も地上戦のみならず、防空に関しても厳しい状態が続くと予想されます。

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