長年悩んできた“5ヤード”も新クラブで解決 西村優菜の海外2年目は「攻めたゴルフ」で

<ホンダLPGAタイランド 事前情報◇21日◇サイアムCCパタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>

シード選手として臨む米国ツアー2年目のシーズン。西村優菜は、その初戦をタイで迎える。「予選落ちもないので、少しでも上位にいってポイントを稼いでおきたいですね」。ここから始まるアジア3連戦でのスタートダッシュを意識している。

今大会に出場できるのはわずか72人という狭き門。ルーキーイヤーだった昨季をランキング48位で終えたことによって手にすることができた権利ともいえる。予選落ちもなく、4日間を戦い切れば、西村は確実にポイントを積み上げることができる試合でもある。今後のシーズンを優位に戦うことにもつながるため、冒頭の言葉につながってくる。

先週はサウジアラビアで行われた欧州女子ツアー「アラムコ・サウジレディスインターナショナル」に出場(結果は42位)したが、それも「(今週に向け)試合勘を確かめるための予行演習」という位置づけ。タイへの移動では、飛行機のなかで夜を明かすことにもなったが、「試せることも多かった。風のなかでもしっかりとやりきって、そこで得られたものも何個かありますね」と手ごたえは上々といえる。

この冬は、パッティングとショートゲームの強化を中心に過ごしてきた。そして「去年みたいな不安がパッティングでは減った」という成果も感じている。技術面もそうだが、クラブ面でも、これまで愛用してきたツノ型からマレット型のオデッセイ『Ai-ONE ロッシーS』に変更し、それも自信を生み出す要因に。「構えやすいし、スライスがすごく苦手だけど、それが打ちやすかった。オフに替えてずっと使ってました。全然違うヘッドだしワクワク感もあります」。今週のグリーンも物怖じすることなくプレーしていきたいところだ。

さらにクラブ面では、こんな“上積み”もある。パターのほか、3番ウッドと6番アイアンをキャロウェイの最新シリーズ『パラダイム Aiスモーク』にチェンジしたが、特に3番ウッドの話をする時は「すごくいいものが来た」とその表情が一層明るくなる。

3番ウッドは西村の生命線ともいえる一本。だが昨年までは「パー5であと5ヤードくらいキャリーが出てくれば(2オンを)狙えるけど、それができないから刻もうというシチュエーションがすごく多かった」という悩みを抱えていたという。長年メーカー担当者に相談してきたともいうが、この新クラブがそれを払拭した。

「今回(飛距離が)3~5ヤード伸びてくれたし、今までになかった感じ」。この日の練習ラウンドでも482ヤードの18番パー5で、セカンドショットでグリーンを狙い、一気に花道まで運んだ。攻撃の幅を広げる相棒になりそうだ。

今季の目標は「優勝」。そのためには、昨年の経験も生きてくる。「ここはもう少し攻められたなとか、去年のデータがあるからこそ、違う戦い方もできると思う。もう少し攻めたゴルフができそうだし、そこも楽しみながらやっていきたいですね」。ショットもグリーン上も果敢に―。そんな姿を、タイのコースからしっかりと見せていきたい。(文・間宮輝憲)

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