「意地でも絶対に通りたい」 西郷真央が予選通過のために見せた“モデルチェンジ”

<LPGAドライブオン選手権 2日目◇26日◇ブレーデントンCC(フロリダ州)◇6557ヤード・パー71>

ここが米国女子ツアー本格参戦後のデビュー戦になった西郷真央は、トータル1アンダー・40位タイで予選通過を果たした。
ショットの安定感を欠いた初日の2オーバーから巻き返しが必須条件のなかで「68」をマーク。そのために「予選通過するためのマネジメントを心がけた」ことが奏功した。

今週のコースは砲台のようなグリーン形状が多く、しかも慣れない芝質。アプローチを残すとボギーのリスクは格段に高まる。そのため西郷は、長いクラブや、ビィトゥイーン(番手間)の距離からグリーンを狙う際、「ミドルのバーディパットが打てれば。10メートル以内ならチャンスがある」と割り切ることを徹底。ピンを攻めすぎることなく、安全策で歩みを進めていった。

日本では「ガツガツ行くことが多かった」という西郷が見せた“モデルチェンジ”。「外すと10ヤード落ちていってしまうようなグリーンでは、まずは乗せることが大事になってくる。日本とは全く違うマネジメントでした」と、コースの特徴を加味し、決断をくだした。

そこには「開幕戦で予選落ちは絶対にしたくなかった」という意識も働く。「プレッシャーというより、意地でも絶対に通りたかった。終盤にヒリヒリしたくないので、なんとか(バーディを)早めに…と思っていました」。このあたりは日本ツアー6勝の実績を引っ提げ、新天地に挑んでいる22歳の矜持(きょうじ)とも言える。

思惑通り、前半の2番、3番と早い段階でバーディを重ねたが、9番のパー3ではボギーと、“一進一退”の状態が続く。そんななか自信がみなぎったのは、7番アイアンのティショットを1メートル弱につけバーディを奪った11番パー3だった。「自分が思った球が打てて、気持ち的に楽になりました」。その後もボギーを回避するマネジメントを続け、17番パー5ではついにアンダーに潜った。

風が前日よりも弱かったこともあるが、初日50%だったパーオン率は、一気に88%(16/18)までアップ。「前半は探りながらだったけど、11番でうまく振り切れたおかげで、そこから気持ちよく打つことができた」と、自分のショットへの信頼も急激に回復する一日になった。

ただ予選通過は最低ノルマ。「こういう舞台で戦うならもっと上を目指さないといけない。明日は攻めたプレーをしながらスコアを伸ばしていきたいです」。カットラインへの意識が消えた3日目は、持ち前の“ガツガツ”したプレーが見られそうだ。(文・間宮輝憲)

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