全国各地で「わがまちが本家・家元」と名乗りを上げている中、70年以上の長い歴史から「カレーラーメン王国」を自負する、新潟県三条市の「カレーラーメン」をご紹介します。
■大黒亭
大黒亭元祖と呼ばれる老舗です。スパイスを独自に調合して作り上げる「カレーそば」は、先々代が修行先の東京・銀座で学んだ英国式カレーがベースとなっている昔ながらの味で、ネギが長ネギではなくタマネギなのが三条流です。辛さ控えめでほのかに煮干しが香る、洋食とも中華とも言える、独特の味わいが楽しめます。
■大衆食堂正広
じっくり炒められた長期熟成のスパイスが効いています。ごろごろ入っているにんじんやじゃがいもが、お母さんが作ったカレーのような懐かしさを感じさせます。辛味と甘味が複雑な味を醸し出す、満足の一杯です。古くから「ものづくりのまち」として知られる三条市。戦後の高度成長期には、鍛冶など地場産業がたいへん栄えました。職人たちは、食事をする時間も惜しむほど多忙だったのです。「カレーラーメン」は、職人たちの活力源として、出前あるいは夜のシメにと愛され続けてきました。
■三条名物カレーラーメン
セブン-イレブンが商品化したことでも有名なのが「三条名物カレーラーメン」です。市内の飲食店でカレーラーメンをメニューに入れている店が多いことに気づいた有志たちが、メーカーにはたらきかけて商品可を実現しました。三条市内70店以上で提供されている「カレーラーメン」。店ごとに特長を出そうと、カレースープタイプやカレーがけタイプ、つけ麺や冷やし麺まで多種多様なメニューがずらりと並んでいます。スパイスの配合にこだわったり、自家製ルウをラードから作ったりなど、さまざまな工夫がされています。三条市の産業発展と共に歩んできた「カレーラーメン」。子供からお年寄りまですべての人においしさを届けます。
[写:uka0310@fliker]
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