プロ転向する? しない? 歴史的Vのダンラップが下す決断は

<ザ・アメリカンエクスプレス 最終日◇21日◇PGAウエスト スタジアムC(米カリフォルニア州)◇7187ヤード・パー72>

1991年に勝利したフィル・ミケルソン(米国)以来、33年ぶりの米ツアーアマチュア優勝を果たしたニック・ダンラップ(米国)。この歴史的勝利で20歳が得たものは大きい。だが、プロ転向した場合と、しなかった場合でその権利が大きく変わることになる。
■プロ転向する場合
・PGAツアーメンバーとなり、ツアー勝者が得る2026年までの出場権
・24年の高額賞金大会である“シグネチャー・イベント”への出場権
・25年の「ザ・セントリー」への出場権
・ツアー優勝者として「マスターズ」、「全米プロ」の出場権

まず、ダンラップは昨年の「全米アマ」を制しており、すでにその権利で「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」の出場権を獲得している。だが、マスターズと全英はアマチュアのままであることが条件。それでも「ザ・アメリカンエクスプレス」を勝った権利でマスターズには出場ができる。全米オープンはプロ転向をしても、全米アマで得た資格により出場ができる。

■プロ転向しない場合
・ツアー勝者としてフルフィールドの大会に“ノンメンバー”として出場ができる。
・昨年の「全米アマ」優勝による権利で「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」に出場ができる。

高額賞金の“シグニチャー・イベント”はツアーメンバーのみの出場に限るため、プロ転向をしない場合は出場ができない。25年シーズンをツアーメンバーとして戦うためには、24年シーズン終了後の30日以内にプロ転向をする必要がある。もしメンバー資格受託を行使しなければ、25年シーズン終了まで待たなければ26年シーズンはツアーメンバーとして戦えない。いずれにしてもダンラップのメンバー資格は26年までとなる。

優勝会見では「いまはまだどうしたらいいか、本当にわからない」とダンラップ。「たくさんの人に大きな影響が出るので、僕が決断する前に話をしなければいけない」。24年シーズンはいつでもプロ転向することが可能で、ツアーメンバーになることができる。どのような決断を下すのか。(文・武川玲子=米国在住)

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