米ツアー通算20勝! リディア・コは“4ヤード”を境にグリップを握りかえていた

前週の米国女子ツアー開幕戦で節目となる20勝目を挙げたリディア・コ(ニュージーランド)。世界屈指のパット名手のプレーを見ていると、長い距離は右手を下に握る順手、短い距離は左手を下に握るクロスハンドにしていることがわかる。「4ヤード以下のショートパットはクロスハンドにしている」と本人は明かす。
「短い距離で一番大切なのはフェース面の管理。方向性は右手、距離感は右手が大事だと私は思っているの」。クロスハンドは右腕よりも左腕が長く使えるため右手の自由を殺すことになる。そこにショートパットを高確率で沈めるポイントがある。「真っすぐ打てない人は右手でこねていることが多い。だから利き手ではない左手を使って振るとスクエアに当てられる」。
 
距離感を出したいロングパットでは器用な右手の感覚を生かし、方向性を重視するショートパットでは左手の不器用さを逆に利用する。リディアはそれを握り方で使い分けている。ジョーダン・スピース(米国)もクロスハンドのパット名手として知られているが、彼は左利きのため、その役割は異なる。

フェースの管理にはボール位置も重要で、「左目のところからボールを落として、ボール位置をチェック」している。ボールとの距離を一定にすることで、同じ軌道、同じタイミングで当てることができるわけだ。
 
また、ショートパットでは緩まないように、カップの30センチ以内にオーバーさせる距離感で打つ。加えて、始動ではグリップを目標方向に動かしてからテークバックする『フォワードプレス』を取り入れている。「腕の三角形をキープしやすく、右手が悪さをしなくなる」とその理由を話す。

パッティングのストロークで意識しているのは、リズムと軸だ。練習ではスマホのアプリを使って、「本番で打ち急がないように」75BPMのゆっくりテンポで打っている。そして、「ダウンで軸が右に傾いて右に押し出す癖がある」というリディアは、ティペグを加えて打つ練習も行う。「ティを加えることで頭を動かしにくくなり、軸ブレを防止できる」。
 
2012年の「カナディアン女子オープン」でツアー史上最年少となる15歳4カ月で米ツアー初優勝を挙げたリディアはまだ26歳。高確率で沈めるこのパットがあれば、まだまだ勝ち星を重ねていきそうだ。

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