中島啓太の今季主戦場は欧州 「2025年にアメリカに行くための1年間」で目指す“久常ルート”【賞金王・特別インタビュー】

昨年の国内男子ツアー賞金ランキング1位となり賞金王に君臨した中島啓太は、その権利で得たDP(欧州)ワールドツアーの出場資格で、2024年は欧州を主戦場にして戦う。
「2023年がほとんどプロとしては初シーズンだったのですが、賞金王になれて、今年がもうヨーロッパツアーに挑戦できるということはすごくうれしいことだと思う。失うものが自分にはないですし、しっかり挑戦を続けていきたいです」

中島の目標は世界最高峰の米国男子ツアーで戦うこと。昨年は「三井住友VISA太平洋マスターズ」終了時点の国内賞金ランキング上位の資格で米ツアーの出場権をかけた12月の最終予選会(Qスクール)に挑戦した。出だしはよかったものの、出場権が付与される5位タイ以内に入ることができず、45位タイという結果で終えた。

「もちろんトップ5を目指してプレーしたんですけど、すごくレベルの高いフィールドでした。悔しかったですけど、今は完全に気持ちは切り替えています」

というのも、Qスクールに出場する前にある決心はしていた。「実はトップ5に入ることができなかったらDPに行くことは決めていたので、結果が出た瞬間にDPと、うまく切り替えられていましたね」と、Qスクールの結果により出場できる米下部のコーンフェリー・ツアーの8試合は回避。欧州ツアーのランキング上位を目指して「2025年にアメリカに行くための1年間」として挑むことを決意した。

その決意には、昨シーズンの欧州ツアーで1勝し、ルーキー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)に輝いた久常涼の存在がある。同ツアーで有資格者を除くポイントランキング上位10人に翌年の米ツアー出場権が与えられるが、久常はその10番目に入り今季から米ツアーメンバーとして同ツアーで戦っている。「久常選手がすごい活躍して、刺激を与えていただいたので、そこを目指したいなと思いました」と久常に続く、欧州トップ10入りを目指して戦うのが今年の目標だ。

昨秋から始まっている同ツアーはすでに8試合が終了している。「もうシーズンは始まっていて、ぼくは出遅れているところからスタートするので、基本的にはぜんぶ出場する気持ちでいます。ただ体も大事にしたいので、マックスで4連戦か、無理して5連戦までになるようなスケジュールを組んでやりたいなと思います」と体調も重視しつつ、新しい舞台に挑戦をしていく。

今季初戦は今週25日から開催される「ラアス・アル・ハイマ選手権」(アラブ首長国連邦)で、そのあとは2月1日開幕の「バーレーン選手権」(バーレーン、ロイヤルGC)、8日開幕の「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」(カタール、ドーハGC)の3試合に出場し、一時帰国する予定。そこからは、いまのところ29日から行われる南アフリカの「SDC選手権」から向こうへ戻る予定だ。今季日本で中島のプレーを見ることができるのは、4月25日から日本で開催される欧州・日本の共催大会「ISPSハンダ選手権」(静岡県、太平洋GC御殿場C)の予定となっている。

中東で迎える今季、自身初戦の目標はもちろん「優勝を目指してプレー」すること。そして、来シーズンには「アメリカで戦う」という自身のキャリアを実現するために、欧州ツアーのルーキーイヤーでも“一番”を狙っていく。(文・高木彩音)

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