「100点に近い」ラウンドで開幕戦単独首位発進 古江彩佳は“特注パター”でグリーン上にひと工夫

<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 初日◇18日◇レイクノナG&CC(フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>

7アンダーの単独首位で飛び出した、今季開幕戦の初日。古江彩佳は自身のプレー内容を振り返り「100点に近いかな」と満点評価を与えた。「アプローチを打つこともなく、すごく楽にラウンドできました」。ノンストレスのまま、18ホールを駆け抜けた。
ビッグスコアへの号砲は、スタート直後の2番パー5で鳴った。下り12メートル、スライスが強めながらスネークライン気味のバーディパットが決まる。ここはラウンド後に行われたLPGAの公式インタビューでも、キーホールにあげた場所だ。

そこからはまさにショータイム。3番で1メートルを沈め連続バーディを奪うと、さらに3つ伸ばして迎えた17番パー3で6メートルをねじ込んだ。とどめは最終18番パー4。残り154ヤードから8番アイアンで放ったセカンドショットが8メートル残ったが、これも決めてしまう。「開幕にしてはショットもパッティングもすごくよかった」。この言葉にうなずくしかない、そんな一日だった。

おもしろいように決まったグリーン上では、この開幕戦からパターに“ひと工夫”を施している。ヘッド自体は昨年までと同じテーラーメイドのマレット型パター『スパイダー ツアーX』を使用するが、サイトラインをマイナーチェンジ。これまでは、よく見るラインが入っていたが、そこがドット柄に変わっている。

実はこれ、もともとこのパターを手にした時に古江からメーカーにお願いしていた“こだわり”。これが「自分のストロークがうまくできる。(サイトラインはそれに合わせて)『真っすぐ引かないと』という意識が出てしまう。(ドット柄は)集中できますね」という効果をもたらしている。米国にいるため、昨シーズンは間に合わなかったが、オフに手にしてすぐに投入した“特注パター”が即戦力になった。

そして、こちらも新たに投入したブリヂストンのドライバー『B3 MAX』も、思い通りの弾道、ランが出て「安心しながら回れました」と好感触。さらに直前まで迷っていたユーティリティも、6番UTを「ほぼ距離は同じ」という5番UTにチェンジしそれも機能した。オフの取り組みが、見事にはまった首位発進といえる。

今夏のパリ五輪出場を熱望し、これまで以上に強く「優勝」を意識するシーズンがスタート。そこに一歩近づく、大きなラウンドになった。「これまで以上にいいスタートが切れた。維持しながらラウンドできれば」。持ち前の“技術”はもちろん、日の丸への“情熱”とギアへの“工夫”。心技体+道具がそろった状態で、通算2勝目、そしてパリロードを切り開いていく。(文・間宮輝憲)

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