「王道のスポットにも」 稲見萌寧が米デビュー戦前に感じている “ワクワク”

<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 事前情報◇17日◇レイクノナG&CC(フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>

大きな変化ともいえる米国ツアー参戦。その記念すべきデビュー戦を翌日に控えた稲見萌寧だが、何度も「変わらない」という言葉を繰り返す。「“特別感”をあまり感じないタイプで、変わらずできています。(日本と同じで)ゴルフ場とホテルの行き来をする、みたいに」。目の前のプレーに集中すること。それはこれまで意識してきたことと同じだ。
目標を問われると、「最初は楽しんで頑張ってやることができれば。なるべく早く優勝争いができるように」と返す。余計な重圧がかかっている様子はない。開幕前日には、注目選手のひとりとしてツアー公式のインタビューにも呼ばれたが、そこでも笑顔の対応。「早く英語が話せるようになりたい」という思いこそ強めたが、確かに日本で見せてきた表情のままといえる。

昨年11月の「TOTOジャパンクラシック」を制したことで、開けた道。もちろん決断までは「なかなか1人でできることではないし、厳しいかなとも思った」など、迷いも生じた。日本に比べ格段にハードになる移動も、「体が変わりやすい」ということが不安にもなったという。それでも「私の人生のなかで一度はやってみたかった」という気持ちと、「一緒に戦ってくれるって言ってもらえて安心しました」というチームメンバーに背中を押され、今、フロリダの地に立っている。

そして今は“楽しみ”や“ワクワク”という気持ちがだんだんと大きくなっている。「海外のトップ選手と何がどう違うのかを明確にできればいい。アメリカのほうがショートゲームの練習環境が整っているイメージもある。そういうところで自分を高められるといいですね」。プロ入り後から一貫して目標に定める、日本ツアーの永久シード獲得への気持ちも変わることはない。「メジャーは日本のポイントにも加算されるから頑張りたい。日本のシードは絶対に獲りたい」というのも、今季の目標のひとつになっている。

そんななかでも、自分のなかで違いを感じているものもしっかりと認識している。それは日本とはまったく異なる生活環境など。「見ていて楽しいとか、ここに行ってみたいという気持ちはありますし、それは楽しみ」。例えば、ニューヨーク近郊で5月に行われる「ミズホ・アメリカズオープン」(ニュージャージー州、リバティ・ナショナルGC)の時には、自由の女神見物も“ターゲット”になる。「そういう王道のスポットには行って、写真に残したいですね」。私生活のなかで得られる刺激を、コースでのプレーに還元するつもりだ。

稲見の出場優先順位は107位。カテゴリー7の『ノンメンバーの優勝者』に該当し、通年の出場権を確保している。自由の女神以外にも、8月の「AIG女子オープン」で“聖地”セント・アンドリュース(スコットランド)でプレーすることなど、期待はふくらむばかりだ。

過去2年間のツアー優勝者しか出場できない、特別な試合がデビュー戦になる。「今週の芝質はあまりクセがないし、じゅうたんのようにキレイな芝で打ちやすくて好き。でもコースは難しい。ピンポジションによっては、『どうやれば攻略できるの?』と思うくらい難しい場所もある。自分の精度が試されますね」と話す表情もやはり楽しそう。芝の違い、生活環境の変化、世界トップ選手との戦い―。そういったものを、すべて自分の糧にする一年が始まる。(文・間宮輝憲)

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