『バンカー=SW』と思い込んでいませんか? ルーキー政田夢乃は「AWのほうが簡単です」

昨年、5度目の挑戦で合格率3%といわれるJLPGAプロテストを突破した政田夢乃。今季は下部のステップ・アップ・ツアーからの飛躍が期待される。そんなルーキーのバンカーショットの考え方が、一般ゴルファーに合うかもしれない。サンドウェッジよりも54度のアプローチウェッジのほうが簡単だというのだ。
■30ヤード以内はアプローチウェッジで打つ
 
「バンカーは唯一、ダフってもいいショットです。難しいことは考えずにボールの1個手前にヘッドを落とすだけでいい。でもサンドウェッジだと力も必要だし、振り幅も大きくなるからミスしやすい。ヘッドの落としどころを一定にするために、私は30ヤード以内ならアプローチウェッジを使って小さい振り幅で打っています。大きく振らなくてもいいから、サンドウェッジで打つよりも心理的プレッシャーが少ないんです」
 
バンカーショットは砂ごとボールを飛ばすため、普通のアプローチの3倍の距離感で打てと言われる。つまり、バンカーから15ヤード飛ばすためには、フェアウェイから50ヤード打つくらいの力加減が必要なのだ。バンカーが苦手な一般ゴルファーが多いのは、練習不足から思い切って振れないところにも理由がある。政田のバンカーショットでは、アプローチウェッジはサンドウェッジよりもロフトが立っているため、3倍まで振らなくてもキャリーが出せるというわけだ。
 
しかも、アドレスでは左足だけオープンにして、フェースはスクエア。少し短くは握るが、腰を大きく落としたり、“バンカー特有”の特別な構え方をするわけではない。スイングでは右への体重移動は行わずに頭の位置をキープしたまま振ることで「ボールの1個手前」にヘッドを落としやすくなる。それに加えて、「フォローでヘッドを低く出すこと」もバンカーから一発で脱出させるポイントとなる。

■50ヤードの遠いバンカーは9番アイアン
 
次にピンまで50ヤードと遠いときはどうするのか。ツアープロでもピンに寄せるのは難しいため、一般ゴルファーならグリーンに乗れば合格点だろう。「今平周吾さんにロフトが立ったクラブでのバンカーショットを教わったんですけど、この距離はウェッジよりも9番アイアンを使うほうが絶対に簡単!」と断言する。9番アイアンはアプローチウェッジよりもロフトが立っているため、それだけで飛ぶ要素はプラスされる。
 
しかし、やはり怖いのはボールを直接打ってホームランし、グリーンを大オーバーするリスク。スタンスをオープンにしてボールを左足寄りに置くことで、確実にボールの手前にヘッドを入れることができる。ほかに30ヤード以内のバンカーと違うのは、フェースを少し開くことだ。あとは「6:4くらいの左足体重で構えて、それをキープして打つだけ」。トップでも左足体重を保つ。

さらに遠い距離のバンカーで政田が意識しているのはスイング軌道だ。普通、バンカーでは左に向いたスタンスなりにアウトサイド・インのカット軌道で打つのがセオリーだが、政田はインサイドから打ち込む意識を持っている。「9番アイアンでカットに打つとトップボールのミスが出やすくなります。ボディターンではなく、下半身の動きを抑えて腕のローテーションを使うと、インサイドから打ち込みやすく、ダフらせても距離を出せます」。ヘッドが刺さりすぎないように、足を砂に深く埋めないこともポイントの1つだ。
 
9番アイアンで50ヤードを打つときも「6、7割の振り幅」とフルスイングの必要はない。弾道のイメージは「キャリーが35ヤードで、15ヤード転がす感覚」。アプローチウェッジを使った30ヤード以内のバンカーショットも、スピンを利かせてキャリーで止める弾道ではない。しかし、バンカー下手でスコアが伸び悩んでいる一般ゴルファーを救う“特効薬”になるかもしれない。

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