手には見慣れぬ新シャフト 畑岡奈紗、“勝利を渇望”するシーズンが開幕「とにかく勝つこと」

<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 事前情報◇16日◇レイクノナG&CC(米フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>

米国で拠点にするホームコースであることに加え、自身がアンバサダーを務めるヒルトン・グランド・バケーションズの冠試合。畑岡奈紗にとってこの開幕戦は特別な思いがこもる試合になるが、「いろいろ頑張らないととは思うけど、それで空回りしてしまうなら、あまり考え過ぎずに。ゆっくりリズムを作っていければ」と、いい意味で肩の力を抜きながら戦っていく。
昨年は3日目を終え3打差の2位。最終日最終組に入り、ブルック・ヘンダーソン(カナダ)、ネリー・コルダ(米国)とともに優勝を争った。最終的には5位に終わったが、開幕戦勝利を期待させる戦いぶり。そしてこの経験も前述したような“気楽”さを後押ししている。

「去年は開幕直前にコロナにかかって、全然練習ができなかったけど、ああいう成績を残すことができた。すごく練習したり調整すればいいというものでもない。そういう意味でゆっくりやっていければ」。その後には「でも優勝を狙っていないわけではないですよ(笑)」という言葉も付け加えるが、柔らかい表情からもいい心理状態にあることはうかがえる。5日には米国に入り、すでに「3、4回」のラウンドを積むなど準備も順調に進めてきた。

昨年は12月23日まで行われたインドネシアでの試合に出場。そして年が明けてすぐ、1月18日から新たな1年が始まる。米国ツアーのオフは短いが、8年目のシーズンを迎える畑岡からは余裕すら感じられる。「シーズンに入ってからも調整していかないと。オフの間に完璧にフィジカル、メンタルを整えることはできない。徐行運転じゃないですけど、初戦はゆっくりとリズム作っていければ」。これも肩の力を抜く理由になる。

短いオフには、これまでとは異なる意識でトレーニングに取り組んできた。パワーアップを意識し極限まで負荷をかけるものから、効率よく体を使う方法へとシフトチェンジ。「スクワットは積み重ねてきているし、おもりも上がる。それをいかに効率よくゴルフに還元できるか」。特に昨年から感じる「体の変化」に合わせ課題も変わるが、これまでの“貯金”も生かし、新たなスタイルを模索していく。

また、新たな試みはこんな部分にも。ドライバーなどのシャフトを新調し、開幕戦を戦うことになりそう。三菱ケミカルの『TENSEIプロ 1K』シリーズがそれ。見慣れない赤をまとったプロトタイプは、昨年9月に日本で出場した「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」からテストを重ねてきた。「今は(同シャフトが)合っていますね」。昨年のインドネシアでも投入した新アイテムには、すでに大きな信頼を寄せている。

今大会は、過去2シーズンの優勝者しか出られないエリートフィールドでもある。昨季は未勝利のまま終わっているだけに、どこかで来年の出場権を確保する必要がある。自らに課すのも「とにかく目の前の試合で勝つこと」。慣れ親しんだ場所から、勝利に飢えた25歳が“一戦必勝”のシーズンに踏み出していく。(文・間宮輝憲)

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