異例の「2年間運休」JR陸羽西線どうなった? 復活はいつなのか 工事中しか見られない「レア風景」とは

山形県のローカル線「JR陸羽西線」が、工事で2年間の「バス代行」となっています。2024年はその2年目ですが、現在どうなっているのでしょうか。

異例の「2年間バス代行輸送」

 山形県の新庄~余目をむすぶ「JR陸羽西線」が、2022年5月から「約2年間」の予定で運休しています。  原因は、並行する国道47号で行われているバイパス道路「高屋道路」の工事です。山を貫いてショートカットする「高屋トンネル」(329m)がJRのトンネルの真下を通るということで、鉄道も酒田駅直通を含め運休せざるを得ないということになりました。 その代わりとして、陸羽西線では現在、代行バスが運行されています。本数は鉄道の9往復から、約11往復に増便。さらに「快速」が上下計5便運行されるようになりました。鉄道時代は新庄行きの快速「最上川」が1本あるだけでした。 快速の線内停車駅は、新庄方面行きが狩川・古口。逆の余目方面は古口だけです。 この快速バス、都心部の通勤電車のように「各駅停車を途中で追い抜く」ダイヤもあるから驚きです。新庄6時発の快速は、先行便より20分遅く出発して、余目に11分早く到着。逆の酒田17時50分発の快速は、15分遅く出て41分も早く新庄に到着する「爆速」っぷりです。快速は国道を快走し、各駅停車は国道からいちいち外れて生活道路を抜けて駅前に向かうため、この差が生まれるのです。 さらに驚くべきは「快速が快速に追い抜かれる」という不思議なダイヤがあることです。先述の新庄6時発の快速は余目~酒田で各駅に停まるようになり、余目を1分後に出る別の快速が酒田へ先行します。

今年がその「運休2年目」でも実際は…

 ところで、2022年5月にはじまった鉄道の運休は、当初予定だと「2024年度中」に終わることになります。しかし、予定通り約2年で運行再開となるか、はっきりとは言えない状況です。 というのも、「高屋トンネル」の工事が、難しい地質に直面してより強い対策工法などが必要となっており、2023年6月に国が「2024年度に予定していた開通時期の見直しが必要」だと発表したからです。 新たな対策工法は、JRトンネルの真下に大々的な地質補強工事が追加されることとなり、ある程度の完成後倒しは避けられない状況です。 変更後の開通見通しは、工事の進捗状況を見てあらためて発表されることになっていますが、今のところ国土交通省から発表は出ていません。 ちなみに、このような「道路工事のせいで鉄道が運休」というのは極めて異例ですが、九州にもう一件、似たような事例があります。北九州市にある筑豊電気鉄道の西黒崎駅が、付近の国道3号バイパスの工事に伴い、2021年10月から「4年程度の休止」となっています。

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