首都圏「特大直通ネットワーク」が誕生!影響は西日本まで!? 相鉄・東急直通線は何を変え、どう進化するのか

2023年は「相鉄・東急直通線」が開業し、神奈川県から東京都、埼玉県に至る広大な直通ネットワークが形成されました。早くも2024年春にはダイヤ改正が予定されており、変化が生じそうです。

総延長約250km、7社局14路線の巨大鉄道ネットワークが誕生

 2023年、鉄道業界では、相鉄・東急直通線(相鉄新横浜線と東急新横浜線)が開業するなど、大きな動きがありました。2024年はそれがさらに進化しそうです。

 2023年3月18日、東急新横浜線と相鉄新横浜線の日吉~新横浜~羽沢横浜国大間が開業。相鉄線方面から新横浜や東京都心への利便性が向上したほか、東急線からも新横浜に行きやすくなりました。  東急・相鉄新横浜線は、首都圏の各線と直通運転を行うことで、神奈川県から東京都、埼玉県に至る総延長約250kmの広大な鉄道ネットワークが形成されました。整備主体となった鉄道・運輸機構によると、関係する鉄道路線は7社局14路線、運行される車両は17種類もあります。  相鉄線から土休日の早朝に1本だけ運転される「海老名発小川町行き」は4会社・6路線を経由し、走行距離は116.4kmにもおよびます。また、1文字違いでルートが全く異なる「川越行き」と「川越市行き」の表示が駅の電光掲示板に並ぶことなども話題を集めました。 上記のように、前例のない複雑な直通運転に対応するため、多様な車両の点検・故障対応や車両運用の準備が進められてきました。また、乗り入れ各社と協力し、運輸指令所や乗務現場でシミュレーションを行うなど、綿密な調整も行われたといいます。  工事や運行面での取り組みが評価され、相鉄・東急直通線は2023年10月、第22回日本鉄道賞「大賞」を受賞しています。

影響や利用状況は?2024年春にダイヤ改正へ

 新線の開業は新幹線にも影響を及ぼし、東海道新幹線では2023年3月のダイヤ改正から新横浜始発・新大阪行きの臨時「のぞみ」の運行が開始されました。それに先駆けて「東急線から新幹線へ。」と題したプロモーションも始まり、JR東海やJR西日本、阪急電鉄も参加。地域を越えた鉄道会社の連携が見られました。 東武東上線から新横浜駅までの直通列車を運行する東武鉄道も、ダイヤ改正の特設サイトを開設し、「新横浜駅まで乗り換えなし」をアピールするなど、新横浜駅の重要性が高まっています。  ただ、開業から半年以上が経った東急電鉄は2023年11月、東急新横浜線の輸送人員が当初計画の約7割にとどまっていることを明らかにしました。定期外旅客については、新幹線利用者が転移したことや新横浜駅周辺のイベント需要で堅調なものの、定期旅客が当初の想定に及んでいないそう。利用が定着するまでには約3年を見込んでいるといいます。  東急電鉄では今後、新駅として開業した新綱島駅周辺の再開発により、新横浜線の利用者が増加することを期待しています。新綱島駅周辺では、駅直結の複合施設「新綱島スクエア」が2023年12月から順次開業しています。  相模鉄道は、2023年度上期における相鉄新横浜線の1日あたりの輸送人員が約7.9万人だったと公表しました。計画値の約8.4万人には及びませんでしたが、需要が定着する2026年度以降は約13.5万人に増加すると予測しています。  相鉄・東急直通線では2024年3月に輸送状況を踏まえたダイヤ改正が予定されており、近く概要が発表されるとみられます。東急電鉄によると「これまで足りなかった部分を補う」ような改正になるそう。どのような変化が生じるのか注目されます。

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