アーセナルはCF、マンCはデ・ブライネ…プレミア上位勢が望む“クリスマスプレゼント”は?

 年末年始の過密日程に突入しているプレミアリーグ。1月に幕を開ける冬の移籍市場では、どのクラブもシーズン後半戦に向けて戦力補強に動くことだろう。即戦力を獲得しチーム力を強化したい反面、どのクラブもできることなら大金を払わずに新戦力が欲しいはずだ。
 
 12月25日のクリスマスに際し、『BBC』や『ミラー』といった現地メディアが各クラブが望む“クリスマスプレゼント”について特集しているので、今回はそれを見ていこう。

[写真]=Getty Images
 
■アーセナル:ストライカー?

 
 20年ぶりのリーグ制覇に期待のかかるアーセナルは大幅な戦力補強こそ必要ないが、昨シーズンはシーズン終盤に失速して優勝を逃しているため、今冬に新たな戦力を確保したいところ。今シーズンは夏にイングランド代表MFデクラン・ライスを加えて守備力が飛躍的に改善されたことを考えると、やはり必要なのは前線のタレントだろう。
 
 かつてレスターやダービー・カウンティで活躍した元ウェールズ代表のロビー・サヴェージ氏も、アーセナルがクリスマスに望むものとしてストライカーを挙げている。同紙は『ミラー』にて「昨シーズンの“あと一歩”を優勝に変える」ためには点取り屋が必要と指摘。ナポリ所属のナイジェリア代表FWヴィクター・オシムヘンは高額すぎるため、ブレントフォード所属のイングランド代表FWイヴァン・トニーの名前を挙げ、「獲得に乗り出しても驚きではない」と言及している。
 
 データサイト『Opta Analyst』も「得点源となる選手がいれば役に立つ」としてストライカーの補強を進言。やはり、賭博規則違反で1月16日まで出場停止となっているブレントフォードの“主砲”トニーがお勧めのようだ。昨シーズンのプレミアリーグでマンチェスター・シティ所属のノルウェー代表FWアーリング・ハーランド、現バイエルン所属のイングランド代表FWハリー・ケイン(当時:トッテナム)に次ぐリーグ3位の20ゴールを挙げたストライカーの実績は魅力的である。
 
 一方で『BBC』のクリスマス特集では、アーセナルのサポーターが「ガーナ代表MFトーマス・パルティや日本代表DF冨安健洋がいつも通り負傷した」と負傷者について言及している。そのうえで「ストライカーの獲得は来夏まで待てる」として、チームに必要なのは守備的MFであると指摘。加えて、長期離脱中のオランダ代表DFユリエン・ティンバーの復帰時期次第では「DFが欲しい」としている。
 
 
■リヴァプール:センターバック?

 
 2位のリヴァプールは十分な戦力を揃えているが、カメルーン代表DFジョエル・マティプが長期離脱しているほか、フランス代表DFイブラヒマ・コナテやイングランド代表DFジョー・ゴメスもケガが多い選手なので最終ラインの不安は拭えない。そのため、オランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクとコンビを組めるセンターバック(CB)の補強が望ましいようだ。『Opta Analyst』はスポルティングに所属するポルトガル代表DFゴンサロ・イナシオを推薦。左サイドバック(SB)でもプレー可能な22歳は左利きのためファン・ダイクとの相性も良さそうだ。
 
 サヴェージ氏もCBの補強が優先されると指摘しつつ、「エジプト代表FWモハメド・サラーがアフリカネーションズカップから、今の調子のままケガなく戻ってくることを願うはず」と指摘している
 
 一方『BBC』では「日本代表MF遠藤航以外にもバックアッパーが欲しい」として守備的MFの補強を望むファンの声が取り上げられている。
 
■アストンヴィラ:なし?

 
 大躍進を遂げて3位でクリスマスを迎えたアストン・ヴィラに関しては、補強よりも放出を避けるべきという声が多い。サヴェージ氏は「ヴィラがクリスマスに願うのは、シーズン前半戦の最優秀監督であるウナイ・エメリと新たな契約を締結すること」と、指揮官をチームに留まらせることを最優先にすべきだと指摘する。
 
 当然ながら『BBC』に掲載されたサポーターのコメントも強気だ。クリスマスに必要な物を挙げる記事で戦力補強の話題を一切出さず「次のチャレンジは来年5月に1位に立っていること。俺たちが失敗する方に賭けるかい?」と大きな夢を語っている。
 
■トッテナム:トロフィー?

 
 アンジェ・ポステコグルー新監督の下で魅惑のサッカーを繰り広げ、シーズン序盤戦の主役となったトッテナム。その勢いが多少衰えた原因は明白だ。サポーターも「ケガが癒えたオランダ代表DFミッキー・ファン・デ・フェンとイングランド代表MFMFジェームズ・マディソン」をクリスマスのプレゼントに希望している。この2選手が戦列復帰を果たせば、“スパーズ”がシーズン後半戦の主役に返り咲く可能性もあるだろう。
 
 そうなれば目指すべきはタイトルだ。サヴェージ氏も「エキサイティングなサッカーを正当化するためにも16年ぶりのトロフィーが欲しいはず」と言及。2008年のリーグカップ制覇以来となるタイトルを目指し、年明けから参戦するFAカップには全力で臨むべきと指摘している。だが、サポーターが欲しいのは1961年以来となる63年ぶりのリーグ制覇で間違いないだろう。
 
 ちなみに、ポステコグルー監督について「クリスマス」の話題で思い出されるのはセルティック時代にサポーターが歌ったチャントである。セルティックファンはチームを立て直した同監督を称え、Wham!の名曲『ラスト・クリスマス』のメロディに乗せて「去年のクリスマス、私はあなたに心を捧げた。でも、あなたは翌日にそれを捨てた。今年は泣きたくないので“ポステコグルー”に捧げる」と歌っていた。
 
 どこのクラブでも愛されるポステコグルー監督は先日の会見で、1月の移籍市場の話を振られると「私はサンタクロースに手紙を書いたよ。子供たちと同じで、プレゼントを貰えるかは日頃の行い次第さ」と冗談を口にした。
 
■マンチェスター・シティ:デ・ブライネ?

 
 サヴェージ氏はマンチェスター・シティについて「ペップ・グアルディオラの腕が鈍ってきたと考える人は、恐らくサンタクロースが存在すると信じるのだろう」と、子供たちの夢を壊す指摘をするが言い分は理解できる。11月中旬から取りこぼしが目立つ昨シーズンの“3冠王者”だが、それでも最終的には優勝争いの中心にいるはずだ。
 
「ペップはベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネの復帰を願っているはず」と、サヴェージ氏は稀代のチャンスメーカーのケガからの復帰が転機になると示唆。一方で『Opta Analyst』では夏に退団したアルジェリア代表FWリヤド・マフレズ(現:アル・アハリ)の穴を埋められる選手として、PSVに所属する20歳のベルギー代表FWヨハン・バカヨコの名前を挙げている。
 
■その他

 
 成績不振に悩むマンチェスター・ユナイテッド、チェルシーの両名門に対し、『Opta Analyst』はストライカーの獲得を進言。前者についてはシュトゥットガルトでゴール量産中のギニア代表FWセール・ギラシ、後者についてはオシムヘンの獲得を勧めていている。
 
 一方で、ケガ人続出のニューカッスルに対して「全ポジションで選手が必要」としつつも、一人を挙げるなら賭博違反で出場停止中のイタリア代表MFサンドロ・トナーリの代役となるマンチェスター・シティ所属のイングランド代表MFカルヴィン・フィリップスの獲得が望ましいとしている。
 
 果たしてどのクラブの願いがサンタクロースに通じるのか? 煙突を掃除しながら、1月の移籍市場の開幕を待ちたい。

(記事/Footmedia)

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