「マイハル」広瀬アリス&道枝駿佑だからこそ成立したファッション 告白シーンの裏設定・色使い…計算尽くしの衣装に迫る<スタイリストインタビュー>

【モデルプレス=2023/12/18】女優の広瀬アリスが主演を務めるTBS系火曜ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』(毎週火曜よる10時~)。今回モデルプレスでは、スタイリングを担当する金順華氏にインタビューし、コーディネートのポイントから色使いのこだわりなどスタイリングの裏側に迫った。

【写真】広瀬アリス&道枝駿佑、服がリンクした密着手繋ぎシーン

◆広瀬アリス&道枝駿佑 火曜ドラマ「マイ・セカンド・アオハル」

本作は、やっかいな問題を抱えた30歳の主人公・白玉佐弥子(広瀬)が、謎の大学生・小笠原拓(道枝駿佑)の一言をきっかけに学び直しを決意して大学生となり、令和の大学生たちに揉まれながら恋に、勉強に、夢に奮闘するセカンド・アオハル・ラブコメディ。

“アオハル”を象徴するような明るい色使いはもちろん、大学生ならではの着回しの効くスタイリングがリアルで参考になるという声が上がるほか、小悪魔系女子・キイナ(伊原六花)らをはじめとする個性溢れるキャラクターたちのファッションも注目を集めている。

◆拓(道枝駿佑)、企画当初からイメージ一新

― まずは、佐弥子と拓のそれぞれのファッションのテーマ・コンセプトを教えてください。

金順華:佐弥子は“貧乏”という設定が大前提にあったので、洋服一つひとつの単価を重視しており、着回しの効く3000円くらいのシンプルな服にしています。ただ、大人とはいえ、ある程度のポップさを意識しています。私は心と服の色は連動すると考えているので、最初の佐弥子の服はすごく地味な色が多いですが、大学生になって、キラキラした友達たちと一緒に過ごす中で、元の土台は保ちつつも少しずつ変化させています。

拓に関しては、衣装合わせ前の打ち合わせで皆さんが“クール推し”だったんです。だから道枝さんがクールでミステリアスに見えるように考えていて、監督も衣装はブラック系がいいと話されていました。ただ、いざ衣装合わせをしてみると、いかにも“ドラマ”っぽかったんですよね。もちろんすごくお似合いでかっこよかったのですが、私の想像していた拓という掴みどころのない綺麗な青年のイメージとは違ったので、真逆の淡色に方向転換してみました。

― 佐弥子も拓のことを「透明感のある男の子」と言っていたように、透明感を重視されたのですね。

金順華:そうですね。作りすぎていないけど、どこか掴みどころのないような男の子にしたかったんです。あと、ロケハン写真を見たときに黒は街に合わないだろうと思いました。

◆佐弥子(広瀬アリス)、トレンドを意識しないスタイリングの理由

― 佐弥子は“貧乏”というキャラクターの設定上、洋服にお金をあまりかけられないと思いますが、その中でもトレンド面で意識していることはありますか?

金順華:佐弥子については一切意識していないです。ただ、それは「佐弥子だから」という意味ではありません。10~20代はまだ自分という軸が定まっていない人が多いからこそ、トレンドでいろいろなものを試して本当に自分に似合うものを探していくと思うのですが、30代近くになると、ある程度自分の軸が形成されていくと考えています。だから、周りの子ほどトレンドは入れていません。その上お金がないので、本当に無難なTシャツやニット、デニム、無地のパンツといったアイテムが中心になりました。

― 白のボーダーのトップスがすごく印象的です。

金順華:ボーダーはいわゆるド定番で、恐らく誰でも1つは持っているようなアイテムです。これは広瀬さんだからこそですが、美人で顔立ちがはっきりしているのでどれだけシンプルにしても様になるんですよね。逆に盛りすぎると不自然なので、彼女の持つ華やかな雰囲気をいかに調和させて、佐弥子として存在させるかということはすごく意識しています。

◆キャラクターの心情を投影させた色の使い分け

― 佐弥子は、スクールライフではブルー系の服を着ているイメージですが、2話のラストシーンで拓と徹夜明けの朝日を前に語り合うシーンの黄色いカーディガンが珍しくて可愛いなと思いました。このように場面ごとで色も使い分けているのでしょうか?

金順華:黄色はプロデューサーの意見を反映しています。拓を優しい色味のピンク系やブラウンベージュ系のイメージにしたいと考えていたのに対し、佐弥子は彼女のハツラツとしたお姉さん気質を踏まえ、寒色のブルーやグリーンに振りたくて、私は“佐弥子=ブルー”を推していました。でもメインビジュアルで着ていた黄色が印象づいたこともあり、大事な場面では黄色を取り入れていく形になりました。

3話の黄色のアイテムは、あえてレトロなワンピースにしていたんです。佐弥子の、デートが久々で浮かれが少し違う方向に行った感を出したくて、「気合入れすぎただろ!」とツッコミたくなるような感じにしたいと考えました(笑)。しかもデートも上手くいかなかったじゃないですか?それが少しコミカルに映った方がいいなと思い、 “レトロなお姉さん”風にしました。またデートが3回あるので、佐弥子が徐々に良い女性になっていくようにしたかったという狙いもありました。

― 同じく3話の佐弥子と拓が仲直りしたシーンでは、佐弥子が明るいオレンジ色の服を着ていました。

金順華:これは逆算なんです!「夕日狙いですごく印象的なシーンにしたい」というお話があったので、佐弥子っぽいけど今まで使っていない色でさらっとしたものを考えた結果、オレンジのトップスになりました。

― 広瀬さん、道枝さんと衣装について話し合ったことやご本人方の意見が反映されている部分はありますか?

金順華:2人ともこちらに任せてくださったのですが、最初の衣装合わせで、佐弥子をわざと貧乏っぽく作るのかどうか、今の形に至るまで様々なパターンの提案があったんです。その結果、周りよりお姉さんに見えるようにすることや主人公として映えること、“ダサくはないけど、おしゃれでもない”といったイメージと合わせて、“着回す”ことを大事にしようと広瀬さんと話していました。2人とも顔が綺麗でスタイルもいいので、少し良いものを着るとすごく映えるんです。

◆佐弥子(広瀬アリス)、拓(道枝駿佑)との交際で服も変化

― 佐弥子と拓が付き合い始めたあと、リンクコーデのようにそっくりなスタイリングもありましたよね。

金順華:そうなんです!徐々に心が通じ合っていくと、似てくるんですよね。夫婦の「俺ら顔似てきたね」の服バージョンのようなイメージです(笑)。

― 意図していないところが素敵です。佐弥子が紫色の服を着ていたシーンも珍しいなと思いました。

金順華:あれはキイナの洋服という設定なんです。キイナは赤やパープル系の服が多いので、今まで着せたことのないカラーを佐弥子に着させてみようかなと考えました。白とパープルで迷っていたのですが、佐弥子が選ばなそうなパープルで大人の女性を出しました。

それと、今までずっとパンツだった佐弥子が5話ぐらいからスカートを履くようになっていくんです。私は「佐弥子ラブエディション」と呼んでいるのですが、30代女性ならではの大人っぽいテイストで、「恋したら“女”出します」といった雰囲気になるように、今までつけていなかったネックレスやピアスも毎日しっかり身につけるようにしました。また、“若見え”もかなり意識しています。佐弥子は口では「気にはしない」と言いつつ、10歳も離れた彼氏の横にいたら心の奥底では絶対に(年齢差を)気にしていると思うんです。そういった心情も映せるよう、なるべく若さを出したコーディネートに展開しています。最初は落ち着いた大人のゆるっとしたスタイルだったものを、デコルテの開きを少し大きくさせるなど、気づく人は気づくぐらいの微妙な変化をつけています。

◆キイナ(伊原六花)の“小悪魔風”コーデの秘密「見えそうで見えない」

― キイナについて、拓との関係性や小悪魔っぽさを感じられるキャラクターも見どころですが、衣装において佐弥子との対比を意識している部分はありますか?

金順華:キイナは絶対に拓が簡単に手を出せないような小悪魔感を出したいと思っていたのですが、伊原さんのナチュラル美人なオーラに加え、ご本人がすごく気さくでチャーミングという小悪魔とは離れた人柄なので、そのギャップをどう埋めようか悩みました(笑)。拓とは仲のいい学校の先輩で身近な存在ではあるけど、不意にドキッとするポイントを作りたかったので、がっつり胸元を開けた服やミニスカートばかりを着るのではなく、アンニュイな雰囲気でのスタイリングを考えました。

キイナは、自分のことを自ら話すタイプではないし掴みきれないキャラクター像も踏まえ、いろいろなテイストを取り入れています。フワッとしたものも着ていれば、柄アイテムも身につけます。ただ、どこか1つにキイナのちょっとした小悪魔感が出る肌見せ感やラインを残しつつ、いろいろなファッションを楽しんでいる感じにしました。また、部屋着のシーンが多かったので、部屋着もキャミ型だけど上に羽織っていたり、透けたシャツだったりと、“届きそうで届かない”を“見えそうで見えない”形で表現しました。ただ、皆さんがどう見えているのか分からず、キイナに関しては皆様に意図が届いていればいいな…と思っています。すごく派手なわけでも、特別トークが上手いわけでもなんでもないのに、いるだけでパッと目がいってしまうキャラクターにしたいと考えていたので、ナチュラルな色気がある人になるように作っています。そこにいるだけで勝手に主役になれるといったイメージから、私はキイナのことを「人生主人公」と呼んでいます(笑)。

◆拓(道枝駿佑)の告白シーンに隠された衣装の裏設定

― 佐弥子のボーダーのトップス、拓が中に着ている白Tシャツなどをはじめ、それぞれ同じアイテムを着回していると思うのですが、その着回し術を教えてください。

金順華:「自分はこれが好きだ」というラインを持っている人は、大体クローゼットにあるどのアイテムを合わせても合うようになっていると思います。「あれも欲しい、これも欲しい」といろいろな系統やトレンドに手を出す人のクローゼットだと難しいですが、2人とも自分というものがしっかりある人だと思っています。

― なるほど…!拓はシャツを羽織ったスタイルが多いですよね。

金順華:そうですね。拓が羽織っているシャツは、柔らかい生地で動きが出るものにしています。彼の掴みどころのない感じが、柔らかい生地の方が出やすいと思ったので意識しています。道枝さんも肌が白いので透明感がすごいです。

― たしかにすごく似合っています。

金順華:拓の話でいうと、ロケハン写真を見て海街設定を知ったとき、「大学の勉強も頑張って時間がない中でどこで洋服を買うんだろう?」と考えた結果、きっと通販で買っているんだろうなと想像しました。だから拓の衣装には、実店舗のないネットショップブランドを使っています。

ただ、セリフにもありますが、拓は「親のすねかじり」なので、良い服もたまに着ています。「なんでそんな良い服着てるの?」「なんでそんな良いバッグ持ってるの?」というのも、「親の金は勝手に使っていい」と彼の“お子さまスタンス”を小物で出しています。

― 先程「心と服の色は連動する」というお話もありましたが、恋が進んでいくにつれ、拓の服の色もピンク色になっていくのでしょうか?

金順華:実は、告白のシーンは“マイハルカラー”になっているんです。マイハルと言えばピンクとブルーなので、佐弥子がブルー、拓はピンクを着させました。

― 貴重なお話をありがとうございました!

(modelpress編集部)

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