生涯ビルバオ宣言のウナイ・シモン「僕にとってのフットボールはパーソナルなものだ。ここ以外では楽しめない」

 アスレティック・ビルバオのGKウナイ・シモンが、フットボールに対する価値観を語った。4日、スペイン紙『エル・デスマルケ』が伝えている。

「夢が叶った」。これは、今月1日にアスレティック・ビルバオとの契約を2027夏まで延長したFWニコ・ウィリアムズの告白だ。レアル・マドリードやバルセロナ、さらにはリヴァプールなど国内外から関心を寄せられながらも、来夏に満了を迎える契約を3年間延長した。また今年4月には、MFオイアン・サンセトも2032年夏までの新契約(24年夏までの現行契約+8年)を締結している。両者ともにスペイン代表で、前者は21歳、後者は23歳。決して“ビッグクラブ”とは言えないアスレティック・ビルバオに所属していれば、当然のようにその“ビッグクラブ”のターゲットになるが、帰属意識を以て“純血”を誓った。そして次なる契約延長対象者の“守護神”もまた、生涯を『サン・マメス』で過ごすことを宣言している。

 ウナイ・シモンのクラブ愛を証左するものとしては、2025年夏までの現行契約に解除条項が盛り込まれていないことが挙げられるだろう。2018年夏にトップチームで起きた移籍、負傷、契約トラブルと3つの偶然から始まった冒険は、いつしかスペイン代表にまで辿り着き、EURO、ワールドカップ、ネーションズリーグ、東京五輪(U-24スペイン代表)と主要大会を全て経験。クラブ公式戦通算174試合、スペイン代表公式戦通算38試合に出場。これだけの活躍を見せれば、前述したようにビッグクラブ(マンチェスター・ユナイティッドやインテル)からの関心は後を絶たないが、「世界最高の選手であることを重視し、そのためにチャンピオンズリーグで優勝する必要があると考える人もいれば、フットボールをビジネスの機会として見出す人もいるし、プロフェッショナルなものとして捉える人もいる」と前置きしつつ、「僕にとっては、フットボールはパーソナルなものなんだ。ピッチに立つのは楽しい。でもそれは、アスレティックだから。きっと他の場所でプレーしても楽しむことはできない」と見解を述べた。

 これまでにも事あるごとに、“ワン・クラブ・マン”への憧憬を語ってきたU・シモン。改めて、悠久の願いであることを強調した同選手は「アスレティックで一生を終えることは、いつも頭の中にある。少なくとも、ここで過ごした時間が価値のあるものであったことを、みんなが楽しんでくれたことを、それが何かの役に立ったことを、そして僕はただの選手ではなかったということを…ここに名前を残したい。数字ではなく、足跡を残すことでね」と夢想。続けて「世界最高のゴールキーパーになって、チャンピオンズリーグで優勝したいと思わない人はいないだろう。僕だってそうだ。それをアスレティックで、と思うよ。他クラブで成し遂げるよりも、ずっと大きなこと」と思いを馳せている。

 クラブの哲学として“純血主義”を標榜するアスレティック・ビルバオには、ビジネス色が強くなった現代における希少種のワン・クラブ・マンが多く在籍中だ。また、2015年から主催する『ワン・クラブ・マン賞』では、パブロ・マルディーニ氏やカルレス・プジョル氏など、他クラブで活躍したワン・クラブ・マンの選手を表彰している。このような価値観を育む『レサマ(ユースからトップまでが使用する練習場)』の門を、U・シモンは14歳、ニコ・ウィリアムズは11歳、サンセトは15歳で叩いてるからこそ、愛するクラブでプレーし続けることを夢見るのだろう。

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