9月のカズー・フランスオープンでDPワールド(欧州)ツアー初優勝を飾った21歳の久常涼に、また一つ勲章が増えた。日本人選手としては初めて、同ツアーのルーキー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)に輝いた。
2022年11月のQスクール・ファイナルステージで7位に入り同ツアーの出場権を獲得した久常は、開幕戦のフォーティネット・オーストラリアPGA選手権で2位に入り、新しいキャリアをスタート。その後も好調を持続し、カズー・フランスオープン優勝のほか、7度のトップ10フィニッシュ。レース・トゥ・ドバイ(ポイントレース)は17位に入った。
また、同ツアーで有資格者を除くポイントランキング上位10人に米ツアー出場権が与えられるが、久常はその10番目をゲット。米国への道を切り開いた。
「とてもうれしい。素晴らしい経験でエキサイティングだった。DPワールドツアーで日本人優勝者になれたことは光栄です」
とコメントした久常は、次のようにこれまでの道のりも振り返った。
「3年前、日本のQTがうまくいかず出場権を逃し、ABEMAツアーでのスタートだった。そこで3回優勝してレギュラーツアーのカードを手に入れ、昨年はDPワールドツアーのカード、そして今回はPGAツアーカード。とても幸せです」
ライダーカップメンバーのルードヴィッヒ・アベルグ(スウェーデン)、全英オープン2位のトム・キム(韓国)を始め、並み居るライバルを押しのけての受賞だったが、
「最も歴史的なイベントの一つであり、挑戦的なゴルフコースであるフランスでの勝利は特に印象的だった。リョウはデビューシーズンを通じて驚くべき安定性を示し、わずか21歳でわれわれのツアーとPGAツアーの両方の出場権を持っているように、間違いなく将来の可能性を秘めている。世界的にさらに大きな成功を収めることができるだろう」
と、トーナメント委員会委員長のデビッド・ハウエル氏は選出の理由を語った。
なお、同賞の正式名称は「サー・ヘンリー・コットン新人賞」。全英オープンを3回制覇し、世界ゴルフ殿堂のメンバーであるヘンリー・コットン(1907-1987年)の名が冠された名誉ある賞だけに、久常自身も大きな励みとなるはずだ。