「落ちるところまで落ちた」 スイング改造、ケガ、シード陥落 渋野日向子の23年が“もどかしく”終了

<ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン 最終日◇12日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>

厳しかった1年間が終わった。渋野日向子が今季最後のラウンドを終えて、シード落ちが決定。苦しかった胸の内を明かした。
どんな結果でも受け止めると臨んだ自身の最終戦。年間ポイントランキング80位以内に入りシード確保を目指したが、最終日は5バーディ・4ボギー・1トリプルボギーの「72」と2つ落とし、トータルイーブンパーの61位タイで終戦。「中途半端でした」と、挽回に失敗した最後の18ホールに悔いを残した。

「本当にすべてがダメでした。情けないです」。シード圏外で入った今週は攻めるしかなかった。薄氷の予選通過で望みをつないだが、3日目も1つしか伸ばせず。最終日も前半からボギーがかさみ、後半に入ると12番で2度池につかまるなど緊張の糸が切れてしまった。そこから3連続バーディで一矢報いたが、ときすでに遅し。最後は淡々とふがいなさを嘆いた。

逆転シードにはかなりのビッグスコアが必要だったこの日。出だしでボギーを喫し、出鼻をくじかれた。チャンスにつけながら「ショートするパットも多かったし、打ち切れなくて外れるというショットも多かった」と、もどかしさばかりが募っていく。そのすべてが“中途半端”という言葉に集約される。それはなにも今大会だけでなく、1年間を通して感じていたことだ。

開幕前にはスイング改造に取り組み、4月に左手親指を痛めてから、状況が一変。その後は上位争いもなく、最後までシード当落線でのプレーが続いた。プロ入り後のシード争いは初めて。「こういう経験ができてすごくありがたい。落ちるところまで落ちた」と結果を受け止め、ここからまた上を目指して行くしかない。

フル出場権こそ逃したが、条件付きでかなりの試合には出場ができる来季。「ここで勝ちたい」と話し、米ツアーでの戦いは続けていく。最終ホールでは、アゲインストの風のなか、池越えの5番ウッドをピンに絡めた。「ある意味リラックスして打てた。そういうのが打てるんだったら最初からリラックスすればいいのに」。反省ばかりが残るが、すべてが終わったわけではない。この悔しさ、苦しさ、もどかしさを晴らすために、2024年に向けてリスタートを切る。(文・高桑均)

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