「ハラハラしました」今平周吾が僅差のVで4000万円獲得 賞金王争いに参戦

<三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日◇12日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

2打差の単独首位から出た2018、19年の賞金王・今平周吾は、2バーディ・2ボギーの「70」。2位の吉田泰基を1打差で振り切り、開幕戦の「東建ホームメイトカップ」に続く今季2勝目、通算9勝目を果たした。
前半を終えた時点で3打のリード。それでも今平に慢心はなかった。「差があってもバーディ、ボギーで2打とかひっくり返ったりとかするので。差はないものだと思って、どんどん差を広げていきたいと思いながらやっていた」。

だが、その思いとは裏腹にサンデーバックナインはスコアを伸ばしあぐねた。後半7連続パーで迎えた17番パー3でボギーを喫し、吉田がバーディを奪ったことで、ついにその差は1打となった。迎えた最終18番パー5。吉田はこのホールで、今週2つのイーグルを奪っていた。「ちょっとハラハラするような感じでした。でも、バーディを取れれば優勝だと思っていたので、バーディを取ることを考えながらやっていました」。

結果は、吉田が2オンに成功せず、パー。同じくパーをセーブした今平に軍配が上がった。「ACNで悔しい思いをしたので、それを晴らせたかな」。10月の「ACNチャンピオンシップ」では1打差の単独首位で最終日を迎えていたが、稲森佑貴に逆転を許し、4位に終わっていた。

思い切ったセッティング変更が好結果につながった。今週、今平はドライバーを抜き、3番ウッドを2本入れた。1本は昨年から使っているコブラ『LTDx』で、もう1本は今秋発売されたばかりのヤマハ『RMXVD フェアウェイウッド』である。

密集度の高い松林にセパレートされたこのコースは「ティショットをフェアウェイに置けると攻めやすい」という考えから、“飛び系”に定評のあるヤマハ社製の3番ウッドを開幕前日のプロアマでテスト。好感触を得て、初日から使用した。その効果はてきめんで、「今週はフェアウェイキープできそうな気がしながらやっていたので、心に余裕があるというか、曲がっても幅の中に収まってくれる安心感をすごく感じました」と優勝への重要なピースとなった。

これで今平は、優勝賞金4000万円を加算。賞金ランキングは9位から3位(9840万5906円)に浮上した。ランキング1位の中島啓太とは約3448万円と大差だが、今季残り3試合はいずれも優勝賞金4000万円とあって、逆転は十分に可能だ。

「もう1ミリもチャンスはないだろうなと思っていたけれど、秋口に勝つと差が縮まる。この優勝でまた賞金王も見えてきたと思うので、この大会で勝てたことは大きいなと思います」。3度目の賞金王タイトルへ価値ある勝利となった。

さらに、今平には他の野望がある。昨年、賞金ランキング上位3人には、DPワールド(欧州)ツアーへの出場権が与えられたが、今年も3人に与えられる予定だ。「世界に出て行きたい気持ちはすごくある。でもなかなか挑戦する場がないという状況なので、それで海外に行ける権利がもらえたら行きたいと思います」。

2009年には高校を中退して渡米し、フロリダ州のIMGゴルフアカデミーで2年間腕を磨くなど、元々は海外志向が強い今平。その扉の鍵を手繰り寄せてみせる。(文・神吉孝昌)

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