あわや池、なが~いパーパット 渋野日向子は運も味方にシード見える「66」

<ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン 初日◇9日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
 
来季のフル出場権獲得のための大一番がスタートした。渋野日向子はそんなしびれる状況のなか、5バーディ・1ボギーの「66」で回り、4アンダーの暫定17位タイで初日を終えた。日没のため一人がプレーを終えられず順延となった第1ラウンドだが、上々のスタートを切り、“逆転シード”に望みをつないだ。
現在の年間ポイントランキングは81位で、上位80位までに与えられる来季のフル出場権まであと一歩。そんなプレッシャーのかかる戦いで7メートルを沈め、バーディ発進。その後は1ボギーもありながら、バーディを積み重ねた。「何度か渋いパーパットを入れてというのもあったので、このスコアで回れてよかった」と胸をなで下ろす。
 
10番のスタートこそバーディを決めきったが、前半はピンチの連続だった。12番パー3ではグリーンを外しボギー。それでも13番では左ラフからピンに絡めてバーディ。ところが14番パー5では3打目がバンカーに入り、4打目はピンまで6メートルを残した。これを沈めると16番ではティショットを曲げるも、木を避けた2打目が傾斜をつたってピンに寄ってバーディ。一進一退の攻防のなか、最大のピンチが訪れた。
 
18番パー5はグリーン前に大きな池が待ち構え、グリーンも斜めに走るいびつな形状なうえ、傾斜も入り交じる難ホール。そこで渋野は2打目をミスしあわや池。ところがボールは奇跡的に傾斜のラフで止まった。「終わった~と思った」という1打はかろうじて池に落ちずにすんだが、そこからはかき出すようなアプローチがピンをオーバー。6メートル残ったカラーからのパーパットを決めて、苦笑いを浮かべた。
 
「きょうはパットに助けられた」。きわどい距離を決めて踏ん張り、その後もボギーなしで回りきった。「ボギーが1コで収まったというのがよかった」。後半に入ると1番では10センチにつけるスーパーショットでバーディ。5番でもミドルレンジのバーディパットがカップに沈んだ。
 
泣いても笑っても最後と覚悟を決めて臨んでいる今季最終戦。もちろん今週の結果次第では次週の最終戦(今週終えてポイントランキング60位内)出場も不可能ではないが、現実的なところでいえば、現在のランキング81位を80位内に押し上げて来季シードを確定させるのが第一。そのためにも、大事な初日を乗り切ったことで、少しだけ余裕も生まれる。
 
「やっぱりスタートは大事だと思っていたし、ビッグスコアも出ているから自分もついていかないと上には行けないと思っている。まずは一日一日、一打一打に悔いの残らないように」。一つ一つのプレーに魂を込め続け、最後まで戦い続ける。(文・高桑均)

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