賞金王へ望みをつなぐ蝉川泰果の秘密兵器は“赤黒”シャフト

<三井住友VISA太平洋マスターズ 事前情報◇8日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
 
1年前の今大会、最終日に単独首位で出たのはプロになったばかりの蝉川泰果だった。昨年の「パナソニックオープン」と「日本オープン」でツアー史上初の“アマ2勝”を挙げて10月31日にプロ転向。2戦目でプロ初優勝、年間3勝目の期待が膨らんだ。
しかし、1番で幸先よくバーディを奪ったものの、2番以降でスコアを7つ落として「76」。8位に終わった。1年前を振り返ると「やっぱりビッグスコアを狙いすぎたかなと。プロの試合は簡単なセッティングじゃないですし、ミドルパットを入れる技術がもっと必要かなと思いました」と、自分の経験値として成長の糧に変えた。
 
フル参戦1年目の今年は、4月の「関西オープン」でプロ初優勝を遂げ、2位3回、3位2回に入るなど獲得賞金8079万円余りを稼いで賞金ランキング3位につけている。前週の「マイナビABCチャンピオンシップ」では、8月の「横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜」以来のトップ5入りとなる3位に入った。
 
「最近にしてすごくいいゴルフができたと思います」と終盤にきて調子は上向きだ。シーズンも今大会を含めて残り4戦。賞金ランキング1位の中島啓太との差は約5000万円差。高額賞金が続く終盤戦に逆転の可能性を残している。
 
「今は結果を出したい気持ちもすごくあるんですけど、自分らしく楽しみたいという思いがあります。試合に出られることは恵まれていると思うので、うまくなりたいという気持ちが強い。向上心を持ちながら楽しんでやれたらなと思っています」
 
夏場以降、思うような結果が出せていない時期は「結果だけを求めすぎていた」と話す。昨年アマで2勝を挙げた時に思っていた「ゴルフがうまくなりたい」というゴルフの向き合い方も原点回帰している。
 
変わったのは気持ちだけではない。昨年の大ブレークを支えた一因でもあるドライバーのシャフトを先週の試合から、およそ1年半ぶりにチェンジ。黒地に赤模様のグラファイトデザイン『ツアーAD VF』を挿している。「飛距離が出るようになったのが1番です。スピン量が適正でグッて伸びてくれます。5ヤードから振ったときには10ヤード近く伸びました」とコントロール性もよく終盤戦の秘密兵器を手にした。
 
「今年はあまりショットでガツガツ行きすぎず、流れを掴めてからちょっと行こうかなと思っています。今年楽しみにしていた試合なので、昨年のリベンジを込めてしっかり楽しみながら頑張りたい」。1年で成長した自分をコースにぶつける。そして熾烈な賞金王争いを繰り広げる中島と金谷拓実との間に割って入りたい。

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