終戦以来の悲願!? 東京・埼玉の大動脈「新東京所沢線」どこまで進んだ? “複雑怪奇な県境”乗り越え整備進行中

川越街道と青梅街道のあいだに「もう一本の太い道路」が整備中です。

悲願の「放射7号線」

 戦後まもない1946(昭和21)年に都市計画決定された、東京都の都市計画道路「放射第7号線」。都心から郊外の所沢までをむすぶ東西軸として、各所で整備が行われています。現在どこまで進んでいるのでしょうか。 ルート全体を見渡すと、放射第7号線は目白通り・新目白通りとして早稲田、江古田、練馬駅、練馬ICを経て、23区境まで。そこから各自治体が引継ぎ、都県道「練馬所沢線」の完成形として、進路を北西へ変えて新座市・東久留米市・清瀬市を経て所沢市、狭山市方面まで抜けていきます。名称は「放射7号線」や「新東京所沢線」などさまざまです。 ともかく西側方面への「東西軸」が貧弱な東京都。川越街道と青梅街道のあいだには広大な「動脈不毛地帯」が広がっていて、どこに行くにも狭い生活道路を信号待ちに耐えながら移動する必要があります。そこに抜けていく新たな東西軸が、この東京~所沢~狭山の一連の都市計画道路です。 まず完成済みなのが、練馬ICを越えた先、大泉学園通りと交わる北園交差点まで。そこからはJR武蔵野線付近の所沢市内まで、まともな完成区間は皆無という状況。その先は4車線道路が完成済みで、そのまま狭山市の国道16号までまっすぐ伸びています。 計画の進展が遅い原因のひとつが、ルートを何度も県境・市境がまたいでおり、都市計画決定・変更の調整に手間がかかるということ。そこで埼玉県は2015年度から「東京都とのスクラム強化推進事業」を立ち上げ、重点的に予算配分して、練馬所沢線の整備に力を注いでいます。 その効果もあってか、次々と工区が事業化を果たし、用地取得も各所でかなりの進捗が見られています。具体的には、工区ごとに次のような進捗になっています。

「用地取得完了」の工区も

【東京都練馬区】用地取得率98% 西東京市境までは、ほぼ用地取得が完了し、現地で仮舗装や側溝設置がされている状況。西側の一部はすでに開通しています。しかし開通できる「用地取得100%」にはなかなか至らず、練馬区議会でも3月に「一部だけでも先行開通できないのか」という声が上がっています。都は「関係機関と協議を行っている」として、一部開通に前向きな姿勢です。【西東京市】用地取得率26% 伏見通りの東側の約600mは開通済み。西側は2018年に事業化を果たし、新座市境までの工区が進められています。【埼玉県新座市】用地取得率47%(栗原)・78%(新堀) 新座市はカニのハサミのように東京都内へ2か所食い込んでいて、栗原地区で1000m、新堀地区で500m、それぞれ事業が進められています。事業着手はそれぞれ2018年、2016年です。【東久留米市】用地取得率70%(神宝町)・33%(金山町) 駅前通りを境に東側(神宝町)、西側(金山町)の2工区でそれぞれ事業が進められています。事業化を果たしたのは、それぞれ2019年、2018年です。【清瀬市】用地取得率?%(中清戸)・100%(上清戸・清瀬橋) 3工区に分かれて事業が進められており、最後に事業化した約580mをのぞいて用地取得は完了。現地で構造物の設置工事も進んでいます。

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