フジテレビ、アメリカ・中国・韓国各国大企業との新プロジェクト発表 ドラマを中国でアニメ化

【モデルプレス=2023/10/26】フジテレビグローバル事業戦略発表会が26日に都内で開催され、株式会社フジテレビジョン 専務取締役・大多亮氏、米国よりスカイバウンドエンターテインメント リニアコンテンツ担当マネージングパートナー リック・ジェイコブス氏、中国よりBilibili副総裁レオ チャン氏、韓国よりカカオエンターテインメント IP事業部長ファン・ゼホン氏らが出席。海外のパートナーと取り組んでいる様々なビジネスについて、来日ゲストとともに協業に至った経緯や展望について説明し、新規協業プロジェクトについても発表した。

【写真】フジ、ジャニーズ事務所を“注視” 会見受け「あらゆる人権侵害を防ぐべく対処」

◆フジ、グローバルビジネスは「絶対に不可欠」

大多氏は「10年~15年ぐらい前から、インターネットの出現によって、放送業界のみならず広告業界もそうでしょうし、何よりもいわゆる視聴者の方、それからユーザーの方の行動変容が非常に大きかったというのがあります。テレビ局も今までのようにドメスティックに潤っているっていうことはもう全然ありえなくなりまして」とコメント。各局とも10年以上にわたって「デジタルとグローバルに力を入れるという状況になっています」と言い、かつて訪れたアジアの国々では、フジテレビのドラマに対する反響があったことを回想。「今比べたときに、我々フジテレビのコンテンツが、そこまでの実感を果たして得られるだろうかという風に思うと、日々まだまだだなということを感じているわけです」と現状の課題を分析した。

また、広告から得られる放送収入と放送収入以外のものを1対1の比率にするのがフジテレビの経営ビジョンだと言い「そういう意味では、グローバルビジネスというのは絶対に不可欠だという風に思って力を入れて参りました。もちろん、世界に向けて今後も番組販売、リメイク権の販売っていうのは一生懸命やっていくんですけども。今日はそれ以外の部分での、フジテレビの世界に羽ばたくためのプロジェクトの一端をご紹介させていただければ」と語った。

◆フジ、アメリカ漫画をドラマ化

スカイバウンドエンターテインメントとのパートナーシップでは、漫画原作「ハート・アタック」日本ドラマ化共同制作、フジテレビIPのアメリカドラマ化、新たなオリジナルIPの共同開発を行うとのこと。大多氏は「ハート・アタック」について「パンデミック後の、いわゆる世紀末的世界で、若い男女が特別な才能というか、政府が認めていない力を持ってしまった男女2人の物語。これはフジテレビの発想では、ないです。SFですから。基本的には」とアメリカならではの作品だとしたうえで「ビジュアルを見た瞬間に、こういうことをフジテレビとしてもやってみたいなっていう風に思ってお話ししたら、いいんじゃないかというようなことで。大事なIP原作を出していただいた」とコメント。また「日本的脚本開発と、リックさんの方からもっとハリウッド的な要素をとかって、いろいろやっているみたいですけど、この辺が妥協せずにぶつかり合ってレベルが高いものができれば、恐らく世界に通用する。日本のドラマって、まだまだだと思うんですね。あまり世界中で見られていなくて、あまり聞かないので、ぜひスカイバウンドさんと成しえたい」と世界的なヒットを目指した。

同作は12月にクランクインするそうで「日本人キャストが決まっておりまして、一応今のところ全8話。制作会社はフジテレビとロボットになります」と制作の体制を明かし「アメリカの制作会社、大きなIPをお持ちになっている会社と、フジテレビの化学反応。これをぜひ期待していただければと思います」とアピールしていた。

◆フジドラマを中国でアニメ化

Bilibiliとのパートナーシップにおいては、地上波放送枠「B8station」創設、お互いのIPを活用した共同制作において「時光代理人」を日本ドラマ実写化の共同制作を行うとともに、フジテレビドラマを中国アニメ化として共同制作。さらに今後は両社がオリジナルIPを共同開発・共同制作していくという。

大多氏は「これから中国マーケットを開けていくためにも絶対に必要だという風に思ったので、異例中の異例で地上波の枠を開けたということになります」「ゆくゆくは完全オリジナルのものをBilibiliさんとフジテレビ、中国・日本で作って世界に出ていきたいというような狙いでございます」と発言。チャン氏は「以前からBilibiliとフジテレビさんは大変良い仲にありまして。フジテレビさんからたくさんの優秀な日本のコンテンツを輸入しました。Bilibiliは2017年より中国製アニメ=自社制作事業を始めて、フジテレビさんとのこういった取り組みで、もっと日本の多くの視聴者にBilibiliのアニメの魅力を知っていただきたいと思いました。そして次のステップとして、大多さんもおっしゃったように、両社のリソースを合わせてグローバル市場に向けてうけていくような作品を一緒に作っていきたいのが狙いです」と話していた。

◆フジ、韓国カカオのWebtoonをドラマ化

カカオエンターテインメントとのパートナーシップに関しては、両社でIPを共同開発中で、フジテレビのIPをもとにWebtoon(韓国のウェブコミック)制作を行い、カカオのWebtoon原作IP「アクアマン」の日本ドラマ実写化共同制作を行う。大多氏は「Webtoon」をアニメと漫画の間と表現し「『梨泰院クラス』っていう大ヒットドラマがあります。あれもカカオの『Webtoon』から出ています。ああいうことが起きて、世界を席巻できるというのを、手をこまねいて見ているのは寂しいので、ぜひ一緒に組みたいというお話をして、乗っていただいた」と経緯を明かしていた。

その後の質疑応答で、フジテレビにおけるドラマ化の枠に関して問われた大多氏は「基本的には深夜、それからFODっていうのを想定しています。ただ、これからずっとやっていきますので、ものによっては本当に地上波のゴールデンタイムのど真ん中っていうこともないわけではない。できればそれくらいのことにしたいなという気持ちではおります」と返答。連ドラの枠を増やしていることに関しては「フジテレビの枠、ちょっと多いじゃないですか。そういうのも、こういったような戦略が背景にあって増やしているっていうことも、仰る通りありますので。そういう風になったらいいですね」と話していた。

また、スカイバンド社とのオリジナルIP開発において、資金調達はどのように行うのか問われると「制作費に関しましては、基本的にはスカイバンドさんとフジテレビが出します。制作費に関しては。これを恐らく北米を中心に、強いですから、スカイバンドさんが販売していく。アジア地区に関しては、フジテレビっていうような、役割分担で販売していく」と、制作費は折半し、販売に関しては分担することを説明していた。当日の司会は、株式会社フジテレビジョン ビジネス推進局・秋元優里が担当した。(modelpress編集部)

【Not Sponsored 記事】

externallink関連リンク

フジ、長瀬智也ジャニーズ退所で「TOKIOカケル」の今後に言及【写真】“フジ男性アナ筋肉選抜”7人に名を連ねたのは…【写真】FNS系列28局“最優秀アナウンサー”決定 フジテレビからは3名受賞フジテレビ、バレー男子W杯開幕戦のカメラ事故謝罪フジテレビ、ジャニーズ会見受け声明 タレント起用への方針も明かす
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)