チェコ「自国民救える輸送機ない!」ブラジル製C-390採用 初のジェット軍用輸送機として

9月には隣国オーストラリアも採用を決めています。

大重量の装輪装甲車を積むことも可能

 チェコ国防省は2023年10月17日、新型輸送機C-390「ミレニアム」の取得に向けてエンブラエルと交渉を開始したと発表しました。 同国空軍には2023年現在、本格的なジェット軍用輸送機はありません。運用しているのは自国製のL-410小型輸送機とスペイン製のC-295M輸送機、そしてVIP用を兼ねた人員輸送用のエアバスA319のみです。前2者はプロペラ駆動のターボプロップ双発で各6機、後者はターボファンエンジン双発で2機であり、チェコ空軍には不整地で運用でき、かつ12時間も滞空可能な長距離飛行のできるジェット輸送機がない状態です。

 チェコ政府は、エンブラエル製C-390を導入することで、危険地域から自国民を脱出させたり、医療救援活動に従事させることも可能だと説明。C-390なら様々な物資を空中投下できるほか、空中消火システムを取り付ければ大規模な森林火災にも対応できるとしています。  また最大積載量は26tあるため、C-295Mでは積載できない大重量の装輪装甲車を空輸することも可能です。 C-390は2015年2月に初飛行に成功しており、母国ブラジル以外にポルトガルやハンガリー、オランダなどが採用を決めています。今年9月にはチェコの隣国オーストリアも調達を決めており、順調に導入国を増やしていっています。

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