磯村勇斗「何食べ」4年経ての成長 共演者とのアドリブシーン明かす<「きのう何食べた? season2」インタビュー>

【モデルプレス=2023/10/16】テレビ東京系ドラマ24『きのう何食べた? season2』(毎週金曜深夜24時12分〜※3話は24時22分〜)に出演する俳優の磯村勇斗(31)にインタビュー。わがままな小悪魔的キャラクター・ジルベールこと井上航を演じておよそ4年。今作ではディスカッションに参加し、共演者との絆をより深めたという。カメレオン俳優とも評される磯村の俳優としての成長、大切にしている空気感とは。<前編>

【写真】猫耳カチューシャが可愛い!同性愛者役を演じる磯村勇斗

◆「きのう何食べた? season2」

原作は、シリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみによる人気漫画。season2ではアラフィフに突入した筧史朗(通称:シロさん/西島秀俊)と、恋人の矢吹賢二(通称:ケンジ/内野聖陽)の日常を描く。

そして、2人の友人カップルとして続投するのが、磯村演じる井上航(通称:ジルベール)と山本耕史演じる小日向大策(通称:大ちゃん)。ジルベールは小悪魔的キャラクターで周囲を振り回す。

◆磯村勇斗「きのう何食べた?」続投の心境

― 2019年4月クールのseason1、2020年元日の正月スペシャルドラマ、2021年の劇場版を経てのseason2ですが、今作の放送が決まった時の心境を教えてください。

磯村:劇場版の撮影の時から「season2できたらいいね」みたいな話は現場でも出ていたので、きっとどこかのタイミングで続いていくんだろうなとは思っていました。驚きはなかったですが “ホームに戻って来れるな”というか、また皆さんと一緒にお芝居ができるのが楽しみでした。

― 台本をお読みになって、どのような感想を持ちましたか?

磯村:描かれている物語としては、season1からベースは変わらないのですが、今回はイベント事があったので、賑やかな外でのシーンも多かったです。そういった意味では、これまでと比べて、盛りだくさんの内容だと思いました。

― ジルベールと大ちゃんの関係性に変化はあるのでしょうか?

磯村:いつものやり取りが続きます。大ちゃんは今回も振り回されているというか(笑)。航のわがままを優しく受け止めてくれています。

◆磯村勇斗、注目は航の“Tシャツ”

― season1の時には、武将髭やボサボサ頭など“不衛生感”を大事にしていると話していましたが、今回ビジュアル面での変化があれば教えてください。

磯村:全くないです!髭の長さも変わらないですし、髪のボサボサ感も一切変わってないです。

― 航が着用しているユニークなTシャツにも多くの反響がありましたが、ファッションの注目ポイントはありますか?

磯村:今回も奇妙なTシャツがありましたね(笑)。「これどう考えたの?」というデザインが2種類ぐらい登場しているので、注目してもらいたいと思います。

◆磯村勇斗、航に対する印象の変化

― 航を演じていて感じたことや、気づいたことがあれば教えてください。

磯村:航は本当にわがままなので、傍から見て「大ちゃんすごいな」と思います(笑)。航を受け止めてくれる相手がいるというのは、とても幸せなことだと思いますね。もちろんツンデレな部分はありますが、大ちゃんのことを一途に愛しているからこそ起こるアメとムチなんだろうなと思いながら演じていました。

― 今作で航をより深く理解できるようになったと思いますか?

磯村:確かにわがままではあるのですが、演じれば演じるほど、とても愛おしくなってくるというか、航の本音が見えてきました。美味しいけど美味しくない、みたいなツンツンしているところがようやく可愛く思えてきて、許せるようになってきたと思います。

― 最初はどのような印象をお持ちでしたか?

磯村:最初はとんでもない猛獣だなと思っていました(笑)。わがまますぎるし、相手のことを全く考えてない。だけど、一途な人だなとは思っていました。

― season1が決まった当初は、これほど長く航を演じるとは思っていなかった?

磯村:続編ができる作品は数が限られてくるので、最初の頃は思っていなかったです。これだけたくさんの方に愛していただける作品や役というのも、なかなか出会うことがないので、自分を航としてキャスティングしてくださった制作陣の皆さん、それを一緒に作り上げてくださった先輩方や、現場の皆さんには本当に感謝しています。自分にとっても非常に大切な作品になりました。

― わがままで毒舌な航が人気である理由はどの部分にあると思いますか?

磯村:周囲にも「ジルベール好きです!」という方がすごく多いんですよね。特にこの作品は同性愛者の話でもあるので、“本当はこう思ってるけど、隠してしまっている”という本音の部分を、航はカラっと言えるところが気持ち良くて、愛される部分なのかなと思います。あれだけわがままなところが、面倒見てあげたいと思わせてるのかな…?僕はあのタイプは大変だろうなと思います(笑)。

― 今作における航の見どころは?

磯村:変わらず、小悪魔感と言いますか(笑)、航も少し大人になってきてるのかなと思うところもあれば、やっぱり子どもだなと思う部分もありますね。自分自身も台本を読んでいて、振り回されてるような感じでした。

― 航の過去も描かれるそうですね。

磯村:今まで航は同性愛者同士に対して強いことを言ったり、諦めみたいなことをポロっと吐露したりすることがありましたが、今作ではなぜ彼がそう言ったのかが見える背景が描かれています。見ていただける方もより深くご覧いただけるのではないかと思います。

◆磯村勇斗、食事シーンの“温度感”に苦戦

― スペシャルドラマでは航が作ったキムチチゲが話題になりましたが、“料理シーンをやってみたい”という思いはありましたか?

磯村:普段から料理をするので、料理シーンがあれば楽しんでやりたいなと思っています。前回は航の大雑把な部分のニュアンスを出すのがすごく楽しかったので、season2でもやりたかったのですが、残念ながら料理シーンはなかったです(笑)。

― 航として食事をするという部分に難しさを感じましたか?

磯村:筧さんの作る料理に対して、心ではめちゃくちゃ美味しいと思っているのに「太る」とか「油っぽい」とかトゲのある言葉を言うんですよね。その裏腹な感情を出すところが、毎回温度感が難しいなと思いながら演じていました。

― どのように感情を表現しましたか?

磯村:美味しそうな表情をしたいんですけど、ムスッとしたような顔で表現する…みたいな感じです。 非常に難しいです。心とは違う顔の表情をしなければいけないので、毎回悩んでいました。

― 筧さんの料理対して毒づくというのはseason2も変わらない?

磯村:変わらないです。むしろひどくなっているんじゃないかな(笑)。今回台本を読んでいて「こんなにひどいこと言ってたっけ?」というくらい結構ひどいなと思ったんです。筧さんはちゃんと理解してくれているので、流す感じがまたいいなと思います。

◆磯村勇斗、山本耕史との掛け合いは「アスリート」

― 久々に西島さん、内野さん、山本さんとご共演された感想を教えてください。

磯村:最初の撮影は、筧さんの家にみんなで集まるシーンでした。久々に集まっても、お正月に親戚で集まったような感覚というか、離れてはいるけど家族のような、そんな時間が現場に流れていました。スタッフさんも同じ方なので、温かい中でお芝居できましたね。

season1の時とかは、内野さんや山本さんのアドバイスを受けて、話し合いに一生懸命付いていくのに必死でした。そこから数年経ってseason2では、僕も一緒にディスカッションに参加したり、提案したりもさせてもらえたので、距離も縮まったのかなとも思いますし、それを先輩たちが受け入れてくださったのでより絆が深まったと思います。

― 話し合いが多い現場だった?

磯村:そうですね。お芝居に対して皆さんストイックに向き合っているので、ちょっとした動きとかセリフのニュアンスとかも、監督を入れてどうしていくのが1番ベストなのかという話し合いは今回もありました。すごくポジティブな話し合いなので、いいディスカッションができたと思います。

― 3話にはハロウィンシーンが出てくるそうですね。

磯村:ハロウィンシーンは、撮影の後半でしたが、後半で良かったなと思っています。それぐらいハードだったので(笑)。

― どのような話で盛り上がりましたか?

磯村:僕があるコスプレをしまして、そのコスプレの動きをどうするかひたすら悩んでいたんです。その時に西島さんが「そんなに悩まなくてもいい話だぞ」「ストイックすぎるだろ!」、内野さんは「可愛いよ」とおっしゃっていて、盛り上がりましたね(笑)。

― 山本さんとの掛け合いも見どころの1つかと思います。

磯村:山本さんとは、いつもその場その場でお互い色々出し合ってお芝居をしているので、毎回同じということがないですね。毎回、何かが違う。今回も航が家のシーンで、スナック菓子を食べているのですが、スナック菓子関連で大ちゃんを困らせることをたくさんしてるんです。お互いアドリブでやり合うというか、2人ともハイになって楽しんでましたね(笑)。1日ずっと家での撮影があると、同じような掛け合いが朝から夜まであるわけですよ、最後はもうおかしくなってました(笑)。僕らの役は結構体力使うんだなと。2人でかなりハードにやりました。

― お2人の掛け合いはテンポが早い印象です。

磯村:運動しているかのようにお芝居が進んでいくので、アスリートみたいですね(笑)。運動してないのにしている感覚になるので、本当に面白いなと思いました。

◆磯村勇斗、西島秀俊と初の2人シーン

― 今回は、筧さんと航2人だけのシーンもあるんですよね。

磯村:台本を読んだ時に「筧さんと2人で話すシーンがあるんだ!」とびっくりしました。現場でも西島さんと「僕たち2人で芝居するの初めてですよね」「そうだね、不思議な感じだよね」と話していて、お互いどう踏み込んでいくかみたいなのはあったのですが、西島さんはとても自然体で筧さんを演じられてるので、そこに自分も航としてやりすぎずに、自然に乗っかっていきたいなと思っていました。西島さんの空気で引っ張ってくださる部分にすごく助けていただきましたし、楽しかったですね。内野さんと山本さんはどちらかというと“動”で、西島さんは“静”のお芝居なので、また違った『きのう何食べた?』の現場を感じました。

― アドリブが出たシーンはありますか?

磯村:お弁当を2人でつつくシーンで筧さんが割り箸を用意していたのですが、本番中に“航は自分で割らないよな”と急に自分の中で思って、筧さんに「割って」と言って割らせたりとか、ちょっとした細かいところを2人の間で楽しみました。筧さんに「もっと食べろ!」と言われたりとか、そういうアドリブは多少ありましたね。

― 役を膨らませるために行ったことがあれば教えてください。

磯村:特にないですね。間は空きましたけど4年ほど航を演じてきたので、相手との感じている空気感とかを特に大事にしながら、その場で生まれるものを大切にしたいと思っていました。山本さんとのシーンもどんなアドリブが来ようが、それは大ちゃんから出てくるものなんだと思いながらやっていたので毎回楽しみでした。皆さんどのような技が出てくるのかというアンテナを張っていたことぐらいです。

― 磯村さんが出した“技”はありますか?

磯村:僕はないです(笑)。でも、“わがままにやる”というのが大事かなと思っていたので、とにかく相手にやらせるというのは意識していました。先程の割り箸の話もそうですけど、1つ面倒くさいことを足していく…みたいな感じです。そういったものを随所に入れていけたらなと考えながら演じていました。

★前編はここまで。後編では、航を演じる上での覚悟や、撮影現場の様子、さらには夢を叶える秘訣などを語ってもらった。(modelpress編集部)

◆磯村勇斗(いそむら・はやと)プロフィール

1992年9月11日生まれ、静岡県出身。2015年『仮面ライダーゴースト』で注目を集め、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』で幅広い層からの支持を獲得。テレビ東京系『サ道』、映画『東京リベンジャーズ』などのシリーズ作品を続投し、高い演技力を見せる。ほか出演作は、TBS火曜ドラマ『持続可能な恋ですか? ~父と娘の結婚行進曲~』(2022)、映画『ビリーバーズ』(2022)、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン2(2023)など。10月13日に映画『月』が公開され、11月10日に映画『正欲』を控える。

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