久保建英が回想するラ・リーガでの冒険…ソシエダは「自分の証明の場を与えてくれた」

 レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英が、クラブによる独占インタビューに応じた。

 ラ・リーガで迎えた5年目のシーズンは、キャリアハイを達成した昨シーズンを凌駕するものとなりそうだ。ここまでリーグ戦8試合に出場し5得点1アシストを記録すると、MFジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)やFWイニャキ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)といったラ・リーガの顔を抑えて、9月度のラ・リーガ月間MVP賞を受賞。日本人選手として史上初の快挙となった。

 5年前の夏に、当時保有権を有していたレアル・マドリードからマジョルカへとレンタル移籍加入し、ラ・リーガでの冒険を始めた久保建英。3年目となる2021-22シーズンと合わせて、計2シーズンの在籍で公式戦通算67試合に出場し6得点8アシストを記録したクラブについては「マジョルカは僕にとって特別な場所です。ラ・リーガに僕の名前を…売り出すというか…。あそこでのプレーがあったから、みんなに僕のことを知ってもらうことができたと思います。マジョルカにはすごく感謝しています」と思いを巡らせた。

 ラ・リーガでの2年目は、“名将”ウナイ・エメリ監督が指揮するビジャレアルからのスタートだった。しかし、同シーズンのヨーロッパリーグを優勝することになる“イエローサブマリン”の2列目には、MFマヌ・トリゲロスやMFサムエル・チュクウェゼ、MFモイ・ゴメスといったタレントが揃っており、さらにカンテラ(下部組織)のFWジェレミ・ピノが頭角を現した。結局、久保は出場機会を求めて、冬の移籍市場でヘタフェに加入。ホセ・ボルダラス監督が標榜する“アンチフットボール”におけるアンタッチャブル的な存在として一定の出場時間を得たものの、最終的に同シーズンのラ・リーガでは、ビジャレアルで約290分、ヘタフェで約800分のプレータイムとなった。

 そんな2年目の収穫について、久保は「ビジャレアルではチーム内競争です。個人的には思ったようにはいきませんでしたけど、欧州大会を目指すチームでしたし、あのシーズンはELで優勝もしましたよね。あそこでの競争が自分を成長させたと思います」と告白。続けて「ヘタフェは何よりも、個性的なボルダラス監督です。いつも僕に『良い選手になりたければ、アグレッシブになれ、下半身を鍛えろ』とつまりジムに行けってことで、今となっては大きな助けになっています。ヘタフェのチームメイト、例えば(カルレス・)アレニャや(マルク・)ククレジャたちとは、そのことで笑い話をしていたのが懐かしいです」と振り返っている。

 マジョルカに再レンタルとなった3年目にラ・リーガ28試合の出場で1得点1アシストと伸び悩んだ久保は2022年夏、これまでのレンタル生活に終止符を打ち、レアル・マドリードからレアル・ソシエダに完全移籍加入することを決断。すると、シーズン序盤戦に才能を開花させた同選手は、公式戦44試合に出場し9得点9アシストとキャリアハイを叩き出した。サン・セバスチャン行きが転機をもたらしたことになったが、久保は「すごく真剣に考えました。この3年間、特に3年目は自分が思い描いていたようなキャリアを過ごせていなかったので、だから自分にとって正しい決断をしなければなりませんでした。じっくりと将来について考え、ホキン(・アペリバイ)会長とマドリードで会って話をして、ラ・レアルへ来ることを決断した」と回顧しつつ、「飛躍もそうですけど、それ以上にサッカー選手としての自分の証明の場を与えてくれたという感じです。もがき苦しんでいた場所から、進むべき道へと導いてくれたと思います」と明かしている。

 3年間・4つのクラブを渡り歩いた末に、自身が輝けるクラブに辿り着いた久保建英。ここまで絶好調を維持している同選手の5年目の旅は、壮大なものになるだろう。

クラブが久保建英にインタビュー

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