ロストあり、OBあり、イーグルあり 石川遼は“全ドラ”貫き1差3位で決勝Rへ

<日本オープン 2日目◇13日◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7315ヤード・パー70>

石川遼らしいゴルフだった、と言っていいだろう。多くのギャラリーがスタンドから見守る最終18番パー5で10メートル弱のイーグルパットを沈めると、右コブシを何度も力強く突き出した。大歓声と大きな拍手はしばらく鳴り止まなかった。10位台だった順位を、最後の最後に1差3位まで上げて、決勝ラウンドに進む。
18番は左に池が伸びてリスクはあるが、「いいティショットを打てばチャンスがある。攻めていこう」とドライバーでフェアウェイをとらえると、右手前に切られたピンまで残り197ヤードの2打目は、ピンの左10メートルにオン。「ボールが止まったところが自分の狙い目だったので、そこが一番安全、かつイーグルの確率があると思った」。

そして、およそ1メートル右に曲がるスライスラインを沈めてみせた。「すごくいいパットだったので、入らなくても、いい上がりはできたなという感じはしました」。会心のイーグルパットをそう振り返る。

この日は出だしから連続バーディで飛び出し、その時点で首位に立った。しかし、左ドッグレッグの6番パー4では、左の林の上を狙ったドライバーショットがロストボールとなり、ダブルボギー。勢いが止まるかに見えたが、続く最難関の7番パー4で4番ユーティリティのセカンドショットを1メートルにつけてすぐさま獲り返すと、9番でもバーディを奪ってダブルボギーを帳消しにした。

しかし、スコアを落とす選手が続出した距離が長い11番パー4では、ドライバーショットが右のOBゾーンに消えてダブルボギー。スコアは再びスタート時のトータル2アンダーに戻ってしまう。13番パー4でもドライバーショットが右に曲がり、ボギーで順位を下げた。「きょうは全体的に右の傾向があった」と苦しみながらも、初日から全ホールでドライバーを貫き、最後のイーグルにつなげた。

石川が日本オープンを1ケタ順位で折り返したのは、実に13年ぶりのこと。さすがに本人は「覚えてないですよ」と笑う。今大会で勝てば、「日本プロ」、「日本シリーズ」に続いて、日本タイトル三冠がかかる。さらに、3位以内に入ると、翌週行われる日本開催の米国男子ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の出場権も見えてくる。「本当に楽しい2日間だった。さらに週末が楽しくなるように頑張りたいと思います」。日本一をかけた決勝ラウンドへ気持ちを向けた。(文・下村耕平)

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