「JR札沼線」末端区間がまたピンチに? 終点「北海道医療大学」から大学が消える

当別町にある北海道医療大学の北広島市への移転が正式に発表され、札沼線の末端区間の利用者が減少することが見込まれています。駅名も、実態と合わなくなりそうです。

北海道医療大学が札沼線沿線から移転へ

 JR北海道の札沼線は、かつて桑園~石狩沼田間111.4kmを結んでいましたが、末端区間の廃止が進み、現在は桑園~北海道医療大学間28.9kmのみが存続しています。ただ、この末端区間にも暗雲が立ち込め始めています。 北海道北広島市とファイターズ スポーツ&エンターテイメント、北海道医療大学は2023年10月11日(水)、「北海道ボールパークFビレッジ」エリア内での大学キャンパス・病院整備計画について、3者が基本合意したと発表。その内容にはFビレッジ内に北海道医療大学のキャンパスや病院などを整備することが盛り込まれており、同大学が北広島市に移転する見込みとなりました。

「北海道ボールパークFビレッジ」には、日本ハムファイターズの新本拠地となった球場「エスコンフィールド」が2023年3月に開業。今後、マンションや医療モールなども整備される予定です。JR千歳線の新駅を設置する計画も進んでいます。  現在の北海道医療大学は、その駅名通り札沼線の終点である当別町の北海道医療大学駅が最寄りです。大学側は9月に当別町へキャンパス移転の方針を伝達しています。北広島市の新キャンパス開設は2028年4月の予定ですが、グラウンドや薬草園などは当別町に残す方針。また、既存の土地と建物を他者へ売却する場合には、事前に当別町へ通知するとしています。  ここで懸念されるのが、北海道医療大学の移転による北海道医療大学駅の利用者減少です。同駅は無人駅で、周辺には大学キャンパス以外の施設がほとんどありません。移転後は駅名も実態と合わなくなりそうです。 JR北海道は札沼線の減便や駅名変更の可能性について「北海道医療大学の移転については報道ベースで把握はしていますが、現段階でお話できることはありません」としたうえで、「駅名変更については利用者の混乱を防ぐため、検討していく必要はあります」(広報部)としています。  2022年には、あいの里公園~太美間に新駅となるロイズタウン駅が開業するなど、明るい話題もあった札沼線。北海道医療大学駅の隣の当別駅も利用者は比較的多いです。大学移転後の当別~北海道医療大学間の利用状況がどうなるか、キャンパス跡地の活用と合わせて今後の動向が気になるところです。 

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