“幻の国鉄未成線”道路になる 一度も使われなかったトンネルを拡幅 国道204号「唐房バイパス」開通へ

鉄道は“ほとんど”できていました。

鉄道トンネルを拡幅して道路へ

 佐賀県が整備を進めていた国道204号「唐房バイパス」が、2023年11月12日(日)に開通します。

 玄界灘に面した東松浦半島の沿岸沿いをいく国道204号のうち、唐津市街を迂回する約2kmのバイパスです。渋滞を避け海沿いの風光明媚な区間へ直結できる新ルートとなることから、佐賀県は同バイパスを含む唐津市街から波戸岬に至る国道204号を中心とした区間に「ルート・グランブルー」なる愛称をつけアピールしています。 このバイパスの唐房トンネルは、既存のトンネルを拡幅する形でつくられました。かつて国鉄が建設していた「呼子線」と呼ばれる鉄道未成線のトンネルです。 呼子線は筑肥線の虹ノ松原から東松浦半島北部の呼子へ至る路線で、1964(昭和39)年に着工。トンネルや高架橋などの構造物はほぼ出来上がっていたものの、国鉄の経営悪化により1982(昭和57)年に工事が中止されました。 1983(昭和58)年には、唐津市内の筑肥線(虹ノ松原~旧東唐津~山本)を大規模に付け替えるために呼子線の高架橋が活用されたものの、呼子線の残りの区間は列車が一度も通ることがありませんでした。そのトンネルのひとつが今回、バイパス道路に活用されたほか、食品の貯蔵庫に転用されているトンネルもある一方、国道204号沿いには今も呼子線の構造物が残っています。

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