山下幸輝「居心地が良いと感じる場所にずっといたくない」 韓国練習生時代とジュノンで味わった悔しさ…ストイックな内面に迫る<モデルプレスインタビュー後編>

【モデルプレス=2023/10/09】夏クールは日本テレビ系土曜ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」と同局系Zドラマ「最高の生徒 〜余命1年のラストダンス〜」の2作にW出演するなど活躍が止まらない俳優の山下幸輝(やました・こうき/21)。2022年、TBS系ドラマ「君の花になる」で劇中ボーイズグループ8LOOMキャストに抜擢されたことをきっかけに一気にスター街道を駆け上がった山下だが、そこまでの道のりは決して平坦ではなかった。ダンスの才能を見出されK-POPアイドルを夢見て韓国に渡った練習生時代から、ファイナリストとなり俳優の道に進むきっかけとなった2020年の「第33回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」まで、「挫折でした」と語る過去を振り返ってもらい、「居心地が良いと感じる場所にずっといたくない」というストイックな考え方に迫った。<モデルプレスインタビュー後編>

【写真】「最高の生徒」畑芽育・山下幸輝らNewJeansカバー

◆山下幸輝、自身初の書籍「山下幸輝パーソナルブックSoul Mate」ロケ地の韓国&大阪への想い

発売中の自身初の書籍となる「山下幸輝パーソナルブックSoul Mate」(主婦と生活社刊)では、山下の大好きな場所である韓国・ソウル市内と、出身地・大阪市の2箇所で撮影を行った。韓国・ソウルでは、そのカルチャーやファッションに魅力を感じ、本人が訪れてみたかったスポットなどでロケを敢行。また、地元の大阪では、家族や恩師、友人など、山下がこれまで深く関わってきた人物との撮影を実施。これまで見せたことのない一面や素の表情、魅力が発見できる内容となっている。

ロケ地は「本当に0から100までの僕を作ってくれた場所が大阪と韓国だと思っていて、大阪は地元で、韓国は色々経験した場所として自分で選びました。あとはシンプルに海外で撮影してみたかったというミーハーな想いからです(笑)」と自身で決定。

それぞれの場所の好きなところを聞くと、「まずは匂いが違います」と即答しつつ、「本だと感じられないですよね」とお茶目に笑い、「そこで出る自分の表情も違うだろうし、結構どっちも違う味が出ていると思います」と紹介。韓国では食事しながらの撮影も多く、「辛かったですね(笑)。食べ物が辛いものばっかりだから顔が真っ赤になっています。パーソナルブックは写真集とは違うゆるさがあると思ったので、かなりリラックスして素の表情が出ていると思います」と話した。

あえて、写真集ではなくパーソナルブックという形にしたのにも本人のこだわりがある。「めくる度に山下幸輝・山下幸輝・山下幸輝・山下幸輝…みたいに全部写真にはしたくなくて、僕のキャラクター的に緩さを表現したくて自分の字や絵も入れたし、写真だけじゃないところで好きな曲や服など、自分の些細な情報も入れられるのがパーソナルブックなのかなと思いました」

◆山下幸輝、韓国練習生時代に味わった挫折

高校時代から数々のダンス選手権で華々しい経歴を持っていた山下は、スカウトを受け、韓国でK-POPアイドルを目指して練習生をしていた過去がある。

「高校の卒業前に大学は行かないと決めていて、周りは皆受験モードだったんですけど僕はダンスのインストラクターをしていたりプレイヤーとしてダンスを踊っていたりしたので、ダンスで食っていくという決断をしていました。ちょうどそのときにK-POPも聴きだしてそんな中で『よかったら練習生として来てみませんか』とお話を頂いて、挑戦とワクワクしたミーハー心もありながら行きました」

希望を抱いて韓国に飛び立ったが、怪我に苦しみ、半年後に帰国を決意した。

「僕の中で1個の挫折でした。練習生として向こうで頑張っていて怪我をして言語の壁もあって辛くなって帰りたいと思ったんですけど、それを伝えたらお父さんもお母さんも『帰ってきたらいいんじゃない?まだやれることあるよ』ということを言ってくれました。それが結構嬉しくて。悔しかったですけど、大阪のお家に帰ってその夜は泣きながらお母さんのだし巻き卵を食べて寝て起きたら意外とケロッとしていたのですぐに切り替えられました。そのときはまだ高校を卒業していなかったので、その後はダンスの大会がちょくちょくあって受験が終わっている子たちと一緒に出場してダンスを続けていましたね」

アイドルという将来の選択肢はその時点で一度諦めたという山下。「普通に音楽を見るのも聴くのも好きだったのでそれでいいかなという感じで、マイナスはなく本当にポジティブにそう思っていました」と当時の心境を振り返る。

◆山下幸輝、ジュノン最終審査で味わった悔しさ

そして、芸能界入りのきっかけとなったのが「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」だ。当時最終審査を取材していたモデルプレス記者は自由アピールでダンスを踊っていた山下の姿を鮮明に覚えている。抜群のダンスセンスはもちろんのこと、当時から今に繋がる表現力で見るものを魅了していた。

惜しくもグランプリを始めとした各賞には届かず、ここでも山下は悔しい想いを味わった。

「悔しかったです。応募したきっかけは友達から『こういうのがあるよ』と聞いてノリだったんですけど、どんどん人数が絞られていく中で僕の中でも本気になってグランプリを獲りたいなと思うようになりました。最終審査では自由アピールと告白審査があって特技のダンスをぶちかまそうと思って、今までやってきたロックダンスをやったのと、告白審査も初めてのお芝居だったので緊張しました。グランプリや準グランプリ、〇〇賞などをもらったメンバーはイベント後に取材があるのでそれを見ながら帰るのも悔しかったですし、その後は家族が大阪から来ていたのでラーメンを食って家族と一夜を過ごしていっぱい話しましたね」

◆山下幸輝、俳優の道へ進んだ理由「頑張っている方が生きている感覚がある」

その後、現在の事務所に入った山下は、アーティストやダンサーではなく、俳優としての道を歩み始めた。

「新しいことをやってみたいなと思っていました。僕の縛られている考えなのかもしれないんですけど、ちょっと気持ち良いとか居心地が良いと感じる場所にずっといたくないという想いが今もあって、逆に居心地悪いとか息しづらいと感じるところで頑張っている方が生きている感覚があるんです。だから怖かったですけど、『お芝居しませんか?』と言われてそれまでダンスばかりしていたので新しい一歩を踏み出せた気がして嬉しかったんです」

居心地が良い場所をあえて脱し、自分を厳しい環境に置くことで、ステップアップしていく――そのストイックな考え方はどこから来ているのか?

「小学校のときから野球やソフトボールをやっていたんですけど、そのときの監督はすごく優しいけど厳しい方でたくさん練習していたのでそこで忍耐力がついたかもしれません。ダンスも基礎練習やゼロから頑張ってきて今があるので、コツコツ努力することは嫌いじゃないです」

◆山下幸輝の夢を叶える秘訣

最後に、モデルプレス定番の質問「夢を叶える秘訣」を聞いた。過去には、「何に対してもハングリーな精神と周りの繋がりを大切にすること」「何事も続けること」と答えている山下は、そこからさらにアップデートされた考えを明かしてくれた。

「素直であること。自分で言うのもあれなんですが、結構何でも信じてスポンジみたいに吸収したいなと思っています。それはノイズもあるし悪いこともあるかもしれないけど、それも経験だと思って好き嫌いせずとりあえず素直に何でも受け入れてみることを大事にしています」

(modelpress編集部)

◆山下幸輝(やました・こうき/21)プロフィール

2001年11月7日生まれ、大阪府出身。高校時代から数々のダンス選手権で華々しい経歴をもち、2020年「第33回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリストとなり芸能界デビュー。2022年、連続ドラマ初レギュラー作品となったドラマ「君の花になる」で8LOOMメンバー・小野寺宝に抜擢され話題に。ほか出演作に日本テレビ系「沼る。港区女子高生」(2023)、ABC・テレビ朝日「ガチ恋粘着獣」、短編映画「ROADING…」(2023/主演)など。11月1日には、2024年カレンダー「1 Week Challenge」が発売。主演映画「TOKYO, I LOVE YOU」が11月10日に公開予定。

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