ウクライナ軍「奪った戦車が故障したんだが」ロシアの”お客様相談室”にクレーム!? 戦闘で鹵獲のT-72主力車

全くバレずに会話。

敵国の企業にサポートを求める

 ウクライナ軍の戦車兵が鹵獲したT-72戦車が故障したため、製造元であるロシアのウラルヴァゴンザヴォートのサポートセンターに連絡したことが話題となっています。

 大胆にもウラルヴァゴンザヴォートのサポートセンターに電話をかけたのは、コールサインを「コチェブニク」と名乗るウクライナ陸軍の戦車兵です。 サポートセンターに電話がつながると、ロシア語で「オイル漏れを起こしている、エンジンの調子が良くない。サスペンションもダメでコンプレッサーが故障している。砲塔の油圧も不具合があり手動で動かさなければならない」と苦情を伝えました。 コチェブニクのロシア語は適切だったのか、全く気づかれておらず、サポートセンターは設計局に問題を提起すると約束しました。合間にはさらっと「まあ、ソビエト製の古い戦車よりはクソほど良くなった」と皮肉たっぷりにコメントする場面も。 その後、コチェブニクはウラルヴァゴンザヴォートの工場所長にもにも直接連絡。そこでもバレることはなく、メッセンジャーアプリの「WhatsApp(ワッツアップ)」を使用して戦車の問題を詳しく説明して欲しいと求められました。 その後も全くバレることはなく、コチェブニクは自身の身分を明かし「ありがとう、気をつけてください。ウクライナに栄光あれ」と言って電話を切りました。 なお、ロシア軍の戦車をウクライナ軍は少なくとも440両は鹵獲していると、2022年10月の段階でイギリス国防省が分析しており、現在は500両程度の戦車をウクライナ軍が手にしたと見られています。コチェブニクによると、故障した鹵獲車両はT-72B3というタイプで、T-72の中でも2012年製という比較的新しい車両です。ウクライナが保有するT-72とは互換性がない部分もあるようですが、本当にウクライナ側で修理できないレベルではないようです。

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