人生初のホールインワン&水切りショットまで飛び出した 藤田かれんは初Vへ「アグレッシブなゴルフをしたい」

<SkyレディースABC杯 3日目◇28日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>

ステップ・アップ・ツアー唯一の4日間大会は3日目が終了。上位争いが混とんとする中、前週からの好調をキープする藤田かれんが12番パー3(170ヤード)でホールインワンを達成するなどし、1イーグル・3バーディ・3ボギーの「70」でプレー。トータル5アンダーで首位と1打差の2位タイに浮上し、初優勝へむけ好位置につけた。
前半は2番でボギーが先行するも続く3番パー3ですぐに取り返しバウンスバック。しかしその後は9番、11番でボギーと苦しい展開が続く。最初のハイライトは12番のパー3で訪れた。6番アイアンで打ったボールはカラーに着弾。微妙なキックによってボール方向がわずかに変わり、そのままカップに吸い込まれた。

「当たりは薄かったです。フォローだったので乗ってくれてよかったんですけど、ちょっとエッジぐらいに落ちて入ったみたいです。ピッチマークがなかったので。(入ったところは)見えてないです。ホールインワンは初めて。人生初です」。一気に2打縮めると、その後も勢いは止まらず13、14番のパー4で連続バーディを奪った。

そして最終18番パー5でさらなる見せ場が訪れる。2オンを狙った2打目は、「ボールが沈んでいたけど、届く距離なので狙わない選択はないかなと思って」という状況からトップのミス。池ポチャかと思われたボールは、低い弾道で水面に当たると、そのまま水切りショットとなり、かろうじてペナルティーラインを越えてグリーン手前に残った。

「私は(池に)入ったと思いましたが、でも勢いが強すぎてこれはいくのかな?と思ったらいってくれました。もう笑ってほしかったです」。ホールインワンのイーグルに果敢に2オンを狙っての水切りショット。なんともドラマチックなプレーをみせる藤田だが、勝つために守りに徹するスタイルの選手もいるなか、魅せるスタイルが藤田の持ち味だ。

「今日は切り替えが早くできました。ボギーを打ってもバーディが来ると思えるような精神状態になれたので、特に焦ることもなく。トップがいま6アンダーで穂ちゃん(橋添)。彼女はボギーを打たない硬いゴルフをしている。私はバーディを獲るけどそのぶんボギーも打つタイプなので明日はもう少しそこを考えて、我慢していたらバーディは獲れると思うので」。最終日、バーディはもちろん必要だが、ボギーの数を減らすことも優勝へ重要なステップとなる。

運命のファイナルラウンドは最終組の1つ前からのスタートになるが「そうするとウーちゃん(ウー・チャイェン)と一緒の組じゃない? 勉強になるので一緒に回りたかった~」と話した藤田。苦手というアプローチについてよく聞くことがあるそうだが、「実は彼女(チャイェン)も上げる(アプローチ)のが苦手という私と共通点があるんですけど、苦手意識がないようにみえるんです。やっぱり自分の考え方ひとつでゴルフは変わるのかって」。進化途上の23歳は、自身の糧になることを日々貪欲に吸収する。

攻めるスタイルが信条の藤田は「アグレッシブなゴルフをしたい」と言い切る。「先々週まではショットが悪くないのにすごく調子が悪い時のような守りのゴルフをしていて(山陽新聞レディース)、あそこは伸ばし合いのコースで好きなのに守りすぎて予選落ちでした。先週(中国新聞ちゅーピーレディース)からは攻めていたので、それが今週につながってくれているのかなと思います」と、本来の攻めるスタイルが戻った。

ホールインワンにより贈られる特別賞の賞金の使い道は考えていないというが、優勝したら買うと決めているものがあるという。「某有名ブランドのバッグがほしいです。優勝したらご褒美にって思ってずっと我慢しているので、優勝したいです」。攻めるゴルフで初優勝、そしてビッグな賞金720万円をその手でつかみにいく。(文・土屋裕一)

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