同じ“欧州組”…苦悩も知っていたから 胸が熱くなった久常涼の初優勝【ゆり’s ROAD】

独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・識西諭里(おにし・ゆり)がその人だ。日本でのツアー生活を目指すも、これまでに7度挑戦したプロテストで合格をつかみ取れず、今年は米国、欧州と世界各国を股にかけて転戦を続けている。“未知の世界”に飛び込んで奮闘する姿を追う。1週間のオフを地元・福岡県で過ごし、今週は欧州女子ツアー「ラコスタ女子オープン」に出場するため、フランスに滞在中。そこでは“刺激的なニュース”も飛び込んできた。

みなさん、こんにちは! 私は今、今季2回目のフランスにいます。前回(3月)は、ほぼスイスだったため、今回は『フランスっぽい雰囲気を味わえるかな~』と思っていたのですが…。それを感じられるのは、今のところ文字がフランス語っていうくらいですかね(笑)。空港から2時間半くらいの移動で、途中、パリを抜けるので『エッフェル塔くらいは見られるかな?』とも思ったのですが…。まったくでした(泣)。

アイルランド、オランダではショットがしっちゃかめっちゃかで苦しかったのですが、2週前のスイスの試合、そして先週でかなり状態は戻ってきました(と信じています)。苦しい時間を過ごし、今は『自分がやるべきこと』が、改めて見えてきました。例えば、アドレスに気をつけようとか。アドレスが整っていれば、ミスが出た時にもどこが悪かったのかが分かりやすいですし、そういった当たり前のことを大事にしていこうと思っています。

そしてフランスについてすぐに、うれしいニュースが飛び込んできました! 涼くん(久常涼)がDPワールドツアーで勝ったことを知って、『うぉぉぉぉ!』ってなりました(笑)。インスタグラムに『おめでとう』ってメッセージを送ったり、本当にうれしかったですね。

6月にスウェーデンの男女混合試合で一緒になった時に、川村昌弘さんも含めて、楽しい食事の時間を過ごしました。(涼くんは)すごく気持ちの強さを感じますが、本人からヨーロッパでの苦悩も聞かせてもらったり。いろいろと大変な思いをして、試行錯誤をして勝ったんだと思うので、心から良かったなって思いました。欧州ツアーに出て、一緒に食事をしてなければ、ただ日本で『へぇ、すごいな~』くらいしか思わなかったかもしれませんが、話しをしたからこそ、私も頑張ろうという刺激になりました。

さて今は、『ゴルフをしているな』という実感も回復してきました。ゴルフのミスって、例えば奥に行くのが怖くてゆるんでしまう、とか精神的な部分が出てしまうものが多くて。でも、それが私にとっては“ゴルフをしている”という感覚でもあるんです。ショットがどうにもならなかった時は、原因も分からず予測しようもないので、それがつらかった。今週は練習ラウンドで自己分析も、コースに向き合うこともできました。ゴルフの好きな部分を、ひさびさに感じることができたので、それも安心につながっています。

少し前まで調子がどん底だったこともあって、あまり結果を求め過ぎるのもよくないかなと思いますが、とにかく貪欲にプレーはしたい。いいニュースで胸も熱くなったし、私も涼くんが優勝したフランスで頑張ってきます!

■識西諭里(おにし・ゆり)
1997年4月16日、福岡県出身、26歳。福岡第一高卒。9歳でゴルフを始め、2015年の福岡県民アマチュアゴルフ選手権優勝などの実績を残す。昨年は予選会を突破し6月の「全米女子オープン」に出場。米国、欧州ツアーの予選会にも挑戦し、現在は欧州を主戦場にしている。身長166センチ。株式会社梅の花所属。

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