優勝予想スコアは1ケタ~20アンダー? 予測不能な海風と選手もへばるアップダウンが勝負のカギ【大西翔太のSHOWTIME】

<日本女子オープン 初日◇28日◇芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県)◇6528ヤード・パー72>

今週はプロ・アマが同じフィールドで優勝を目指す“女子ゴルファー日本一決定戦”が行われる。会場は、日本海が隣接する芦原ゴルフクラブ 海コース。1983年以来、40年ぶり2度目の「日本女子オープン」開催となる。そこはどんな特徴があるのか? また、適性が高そうな選手は? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、メジャー大会の展望を占う。
■選手たちもきつい! アップダウンに要注意

「これだけアップダウンがある日本女子オープンはひさしぶりですね」。大西氏が開口一番に語った印象こそ、そっくりそのままこのコースの特徴となる。原英莉花、稲見萌寧ら選手たちも、口々にその過酷さと、足の疲労の心配を訴えるほど。「高低差があるから縦距離も合いづらいですね」。打ち下ろし、打ち上げ、面が見えないグリーン。そのなかで、選手たちはイメージを作り上げる必要がある。

ラフも刈り高80~100ミリのメジャーセッティングに。「全体的に砲台グリーンも多く、ラフから打つと止まらなかったり、戻って来てしまいます。フェアウェイキープはマスト。マネジメントもグリーンから逆算する必要がありますね」。ここも警戒ポイントに挙げる。

開幕前は穏やかななかでラウンドしてきただけに、予測が立たないのが海から吹き込んでくる風。近くには発電用の風車もあるほどで、いつ強風が吹いてもおかしくない。「天候との向き合い方は大事になります。(風を)さえぎるものも多くはない。まったく風が吹かなければ60台を重ねていく必要がありますが、風が吹けば耐えて耐えてチャンスを待つ展開になります」。優勝スコアの予想も「風が吹いたら1ケタ。風が吹かなければ20アンダーも出るかも」というほど、読みづらい。

■グランドスラム、3週連続V、メジャー連勝…5人の選手に注目

そのなかで大西氏が注目する選手は5人。最初に名前が挙がったのが、小祝さくらだ。4週前の「ゴルフ5レディス」から、3週連続で1打差の2位と惜敗が続いたが、それは好調をキープしている証でもある。「いつ優勝してもおかしくない。フェアウェイにきっちり置けるし、パターの転がりもいいです」。ここからさらに硬さ、速さが増すことも予想されるグリーンへの対応も問題なしと見ている。

さらに、「ドライバーが飛んで曲がらない状態のまま来てますね。メジャー2連勝も大いにありえます」という今年の選手権覇者・神谷そらと、「練習から雰囲気が違う。勝ちにいくオーラが出てます。全身全霊でこのタイトルを狙いにいってます」という申ジエ(韓国)も本命と考える。ジエは、ここで勝つと4つあるメジャー大会を全部制覇というツアー史上初の生涯グランドスラムを達成することに。本人も「勝ちたいです」と言葉にするほど気合も十分だ。

そして、“もう2人”。姉・明愛、妹・千怜の岩井ツインズだ。明愛は史上3人目の3週連続優勝がかかっている。大西氏も、やはり仕上がりのよさには太鼓判を押す。「プロアマで一組前だったので見ていたんですけど、明愛選手はすべてティショットをドライバーで打って、全部フェアウェイど真ん中に行ってましたね。アライメントの方向にきっちり飛ばしてます。千怜選手は今は試行錯誤の時期かもしれないですが、調子は上向きに見えます。なによりも明愛選手の活躍が刺激になってるはず。2人でメジャー獲りを目指して切磋琢磨できるのは強いですね」。この相乗効果も、今回のメジャーを盛り上げる要素とみる。

「共通しているのは、『フェアウェイに置ける』、『パターの調子がいい』選手。また5人とも高くて、めくれる球を打てます。こういった技術を発揮するのもナショナルオープンならでは。風が吹かなければ飛ばせる選手が有利なコース。ただ風が吹かなければですが…」。どのような展開になるかは、まさに天のみぞ知るところ。刻々と変わるコースコンディションに向き合う選手たちの姿も楽しみだ。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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