母国でカップを維持! 英雄シガンダは“ドリームフィニッシュ”

<ソルハイムカップ 最終日◇24日◇フィンカ・コルテシン(スペイン)◇6903ヤード・パー72>
 
シングルス12マッチが行われたポイントタイで迎えた最終日、母国スペインでの勝利に向けてカルロタ・シガンダの雄叫びが何度もコースに響いた。
序盤の組から熱戦が続いた。メーガン・カンがリン・グラント(スウェーデン)に1アップで勝利すると、レオナ・マグワイア(アイルランド)がローズ・チャンに4&3で圧勝。両者一歩も譲らないマッチの連続で、マヤ・スターク(スウェーデン)がアリセン・コープスを2&1で下すと、10マッチが終了しても両者はともに13-13のタイ、残す2マッチに勝利の行方が委ねられた。
 
米国チームのトップ選手、ネリー・コルダと対戦したのは母国スペインのシガンダ。前半はシガンダ優勢で8番を終えて3アップ。しかし、9番からコルダが反撃開始すると15番で再びタイに並んだ。そのとき、最終マッチのレクシー・トンプソン(米国)対エミリー・ペダーセン(デンマーク)はトンプソンが4アップと優勢で、もしシガンダがこのマッチを落とせば米国チームの勝利となるところだった。
 
終盤、コルダに並ばれてからのシガンダの気迫はすごかった。16番パー4でバーディを奪うと再び1アップとする。続く17番パー3ではピンそば70センチにつけるスーパーショットに激しいガッツポーズ。その気迫に圧されるようにグリーンを外したコルダはパー。最後はこのバーディパットを沈めて2&1で勝利した。
 
これで欧州チームは引き分けとなる14ポイントに到達し、前回勝利を収めていた欧州がカップを維持することが確定。シガンダはパターを離すとキャディと大きくハグ、勝負を見守ったチームメイトがグリーンになだれ込み勝利を祝った。母国スペインの“英雄”となった瞬間だった。
 
「シガンダはものすごく強い気持ちでプレーしていた」と欧州チーム主将のスーザン・ペターセン(ノルウェー)。「16番に向かうとき、シガンダにここからはあなたにかかっていると言ったの。本当にそれに応えてくれた」と勝利に大喜びした。
 
最終マッチはトンプソンが17番をパー3で、約2メートルのパーパットを沈めてマッチは分け。ソルハイムカップ史上初の14-14のタイで終了し、カップは欧州チームが維持した。
 
初日の午前、ペアでひとつのボールを交互に打つフォアサムで4戦全敗の0得点でスタートした欧州チーム。「こんなにチームを誇りに思うことはない」とペターセン主将は選手たちを称える。一方の米国チームのステーシー・ルイス主将は、「選手に私たちは負けなかった、と伝えた。今回の戦いでルーキーたちはたくさんの経験を得た。次に大きく生かせる」と来年に米国で開催される次戦へと気持ちを馳せた。
 
勝負を決めたシガンダは「今はまだ気持ちが落ち着かない。でもスサン(ペターセン主将)とスペインのためにプレーできてとてもうれしい。ここに居るみんなが私の家族。スペインのファンは最高だった」といつまでも興奮が冷めなかった。(文・武川玲子=米国在住)

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