日没プレーオフの激戦を果たす 初V荒武飛名はベストタイの「67」に喜び

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇第10戦 マイナビカップ◇19日 本戦(一日競技)◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6398ヤード・パー72>

24歳の荒武飛名が4ホールのプレーオフを戦い抜き、念願の初優勝を遂げた。マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーには昨年の9月から出場。他の試合で過去に優勝経験はあるものの、同ツアーでは「はじめての優勝なので嬉しいです」と喜びを表した。
前半9ホールを終え、4アンダー・首位タイでハーフターンをした荒武。後半は同組で同じく首位タイで並走していた今井鮎美との激戦を繰り広げていた。

後半の出だし10番パー4を荒武、今井ともにバーディ発進。さらに今井が11番でもバーディを奪ったことにより、荒武は2位に後退した。だが、15番パー4で今井が2打目をグリーン奥に外し、アプローチをミスして痛恨のダブルボギー。荒武は16番パー3でスコアをひとつ落とすも、5アンダーで単独首位となった。

そんな荒武を同組の竹本梨奈や今井ら含め4アンダー・2位タイ組が数人追いかける展開に。そのなかのひとり、2組前にいた佐々木理乃は、最終18番パー5でバーディを奪ってフィニッシュ。5アンダーで首位の荒武と並び、クラブハウスリーダーとして結果を待った。荒武を含む後続組はスコアを伸ばしきれず、佐々木と荒武の一騎打ちでのプレーオフとなった。

日没時間は午後6時。プレーオフが開始されたのは午後5時とあたりは薄暗くなってきていた。両者とも危なげなく5メートル以内にパーオンするも、バーディパットを決めきれず、勝負は4ホール目に突入した。

荒武はこの日5回目の18番ティショットを渾身の一撃で見送り、セカンドでもフェアウェイをキープ。サードショットをピンやや奥1.5メートルの下りスライスラインにつけた。佐々木がバーディパットを外した一方で、荒武のウィニングパットはコロコロとゆっくりカップのなかに吸い込まれた。紺色に染まる空の下で荒武の初優勝が決まったのだ。佐々木と荒武はお互いを讃え合うようにハグをして第10戦「マイナビカップ」は幕を閉じた。

「りのちゃんとは仲が良くて。なので、バチバチで行く? とか言いつつ、普通に話しながらやっていました」と、1998年生まれで同い年の佐々木とは普段から仲がよく、冗談を言いながら楽しくプレーオフができたという荒武。「けど、なかなか楽に勝てるような雰囲気ではなくて。いつまで続くのか自分でもわかりませんでした」と拮抗したプレーオフを振り返った。

初優勝を遂げて「まだ『優勝したぞ』っていう実感はあまりないんですけど…嬉しいです! 67もベストタイなんです」と今年の夏にプライベートラウンドで更新したばかりのベストスコアを試合で出すことができた。「ショットはまあまあでしたが、いつもよりパターが入ってくれました。昨日、すごくショットが悪くて。それに比べたら今日は普段通り打てた」とパッティングが上手く噛み合い、好スコアにつなげられたようだ。

マイナビポイントランキング(MP)で70位(158.11pt)だった荒武は今大会の優勝で1000ptを獲得し一気にトップ20へランクインする予定。今季の優勝者やポイントランキング上位者など、一部の選手だけが出場できる最終戦への出場権を獲得した。今年のJLPGAプロテストは1次予選で敗退となってしまったが、まだまだ荒武の戦いは終わらない。ネクストヒロインゴルフツアーでの残り5戦が来年のプロテスト合格に向けていい弾みとなることを願いたい。(文・高木彩音)

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