CLは一強時代に突入か!? 欧州最高峰の戦いをデータサイトが展望

 今月19日に幕を開ける今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)。昨シーズンはマンチェスター・シティが一度も負けることなく頂点まで上り詰め、クラブ史上初の欧州制覇を果たしたが、今シーズンは一体どこのチームがビッグイヤーを手にするのか? データサイトなどの優勝オッズや優勝確率を見ていこう。

■本命はシティ

 やはり本命はマンチェスター・シティだ。昨シーズンはクラブ史上初のCL制覇に加え、プレミアリーグとFAカップでも頂点に立って「トレブル(三冠)」という歴史的快挙を成し遂げた。今季もUEFAスーパーカップを制しているほか、プレミアリーグではここまで唯一の5戦全勝でリーグ4連覇に向けて視界良好だ。

 絶対的ゲームメイカーのベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネを怪我で欠くとはいえ、英国ブックメーカー『ウィリアムヒル』のCL優勝オッズでも大本命の「3倍」だ。やはり戦力と実績は頭一つ抜けており、よほどのことがない限り今季もペップ・グアルディオラのチームは上位に顔を出すはずだ。

 シティに次いで優勝候補の2番手に着けるのはドイツの名門バイエルンだ。ブンデスリーガで前人未到の11連覇を達成しているクラブは、今オフにトッテナムからイングランド代表FWハリー・ケインを獲得しており、どのポジションにも穴がない。優勝オッズは「6倍」となっている。

 続いてはCLで圧倒的な実勢を誇るレアル・マドリードで「8.5倍」だ。歴代最多14回の欧州制覇を誇る白い巨人は、過去13シーズンのうち11回もベスト4まで勝ち上がっており、彼らが早期敗退する姿は想像がつかない。今季ラ・リーガでも唯一開幕5連勝を達成して首位に立っている。

 一桁台の優勝オッズが付いているのは以上の3チームで、彼らが優勝候補の本命ということになる。ちなみに4番手はアーセナル(11倍)、5番手はバルセロナとパリ・サンジェルマン(15倍)、7番手マンチェスター・ユナイテッド(19倍)、8番手がインテル、アトレティコ・マドリード、そしてニューカッスルで21倍となっている。

■Optaのスーパーコンピューターも

 データ会社『Opta』のスーパーコンピューターがはじき出した優勝確率も似たような結果となっている。最も優勝の可能性が高いのはシティでその確率は驚異の「38.9%」。およそ4割の確率で連覇を達成すると見られている。ちなみに、1992年にチャンピオンズリーグに生まれ変わって以降、同大会で連覇を達成したのはレアル・マドリード(2016~2018の3連覇)だけしかいない。イングランド勢における大会連覇は前身のチャンピオンズカップ時代のノッティンガム・フォレスト(1979、1980)で40年以上も前の話だ。

 『Opta』は優勝だけでなく、その他のラウンド進出の確率も算出しており、シティが決勝まで勝ち上がる確率は「55.1%」。半分以上の確率で来年のファイナルが開かれるロンドンのウェンブリー・スタジアムにたどり着くと見られている。シティは初戦でセルビアのツルヴェナ・ズヴェズダとホームで対戦するが、シティが勝利する確率は「90.3%」とはじき出されており、グループステージ突破の確率に至っては「98.5%」という恐ろしい数字が出ているそうだ。

 やはり今季も「ストップ・シティ」が合言葉になるようだが、対抗馬は優勝確率で2番手に着けるバイエルンだろう。とはいえ、彼らの優勝確率は「10.9%」で王者シティに大きく水をあけられており、16強からトーナメント方式になるためリーグ戦よりも優勝が難しいと言われるCLでさえも、シティの“一強時代”なのかもしれない。

 注目は、優勝確率で3番手に着けるアーセナルだ。昨季はプレミアリーグで終盤まで首位を走ってシティを追い込んだアーセナル。最終的に2位に終わったが、7年ぶりにCL出場権を確保して欧州最高峰の舞台に帰ってきた。

久しぶりのCLとあって少し不安もありそうだが、今オフにイングランド代表MFデクラン・ライスを確保するなど大型補強にも成功。何よりアーセン・ヴェンゲル政権時代に17シーズン連続で16強進出という実績もあり、久しぶりの大舞台でクラブ史上初の欧州制覇だって夢ではない。セビージャ、PSV、ランスといった強豪と同じ組に入ったが、グループステージ突破の確率は「89.9%」と見られており、ベスト4進出は「34%」、決勝進出は「17.9%」、そして優勝は「8.7%」と高い評価を得ている。

 『Opta』の優勝確率で4番手以降は、レアル・マドリード(6%)、インテル(5.6%)、ナポリ(4.5%)、ライプツィヒ(3.8%)、マンチェスターU(3.3%)、バルセロナ(3.2%)という順番になっている。そう考えると、優勝候補4番手のレアルと6番手のナポリが同居するグループCは注目だ。ブラガとCL初挑戦のウニオン・ベルリンには申し訳ないが、グループ突破はレアルとナポリで決まりだろう。両者は第2節と第5節に直接対決を迎える。

■注目の“日本グループ”は?

 注目のグループといえば、日本人選手がひしめくグループEだろう。日本代表選手の活躍が期待されるフェイエノールト(上田綺世)、ラツィオ(鎌田大地)、セルティック(古橋亨梧、前田大然、旗手怜央、岩田智輝、小林友希)の3チームだが、彼らを抑えてグループ本命と見られているのはスペインのアトレティコ・マドリードだ。

 昨シーズンはグループステージ敗退の屈辱を味わったアトレティコだが、それでも11シーズン連続出場という絶対的な経験値は揺らがない。過去10シーズンのうち8度もグループステージ突破を誇るほか、2度も決勝に進出しており、今季もグループステージ突破の確率は「81.1%」と見られている。本命の彼らに次いでグループ突破の可能性が高いのはラツィオ(52.8%)、そして昨季6シーズンぶりにエールディヴィジを制したフェイエノールト(50.9%)だ。

 セルティックもグループ突破争いに絡みたいところだが、『Opta』のスーパーコンピューターによると彼らのグループ突破確率は「15.2%」。5年ぶりにCLグループステージに出場した昨シーズンは1勝もできずに最下位で敗退。エースの古橋亨梧も全6試合に出場しながら一度もネットを揺らせず、今季のグループステージでCL初ゴールを目指す。

 ちなみにセルティックは、CLでは最近21試合で1勝しかできておらず、国内リーグとのレベル差に苦しめられている。彼らが最後にCLグループステージを突破したのは12年前の2012-13シーズンまでさかのぼる。それでも2006-07、2007-08シーズンには中村俊輔を擁して2シーズン連続でベスト16に進出しており、やはりチームの命運を握るのは日本人の活躍なのだろう。

 果たして今シーズンはどのチームが勝ち上がるのか? 日本人の挑戦とともに優勝候補チームにも注目したい。

(記事/Footmedia)

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