旅客機客室でたまに発生「白い霧がそこらじゅうから吹き出す謎現象」なぜ? ANAに聞いてみた

旅客機の客室では離陸前などに、まれに客室内で「白い霧」が発生することがあります。アナウンスでは「安全性には全く影響はない」と流れますが、明らかにその様子は、普段の客室のそれとは異なります。その正体はなんなのでしょうか。

霧が吹きだして10分ほどで消えた

 旅客機の客室では離陸前などに、まれに客室内で「白い霧」が発生することがあります。アナウンスでは「安全性には全く影響はない」と流れますが、明らかにその様子は、普段の客室のそれとは異なります。その正体はなんなのでしょうか。

「夏の暑い日、九州から東京に向かうエアバスA321で、この霧に遭遇したことがあります。離陸前の地上滑走のとき、側面の壁の上方と、手荷物預け棚の上部から白い霧が吹き出していましたが、離陸して10分ほどたつと消えました」。この現象に遭遇したことがあるという人物は、そのときをこのように振り返ります。 ANA(全日空)によると、この現象はエアコンによるものだそう。そのメカニズムを同社は次のように説明します。「機内の温かい空気にエアコンの冷気が触れることによる現象です。機内の温かい空気に含まれる水蒸気が、機体の空調により一気に冷やされることで、霧のように可視化できる仕組みです」 つまり、これは寒いときに吐いた息が白くなるのとよく似た現象が、機内のエアコンを通じて起こっているということでしょう。 同社によると、この現象の発生率と、路線や機種などの関係性はないのではないかとのこと。取材に対し、「先の理由から暖かい地域からの方が発生しやすい環境かもしれませんが、そのときの機体の置かれている環境によってというところになります」と答えています。 冒頭の「安全性には影響がありません」という案内は、上記の発生理由が根拠となっているといえるでしょう。

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