運だけじゃない! 飛行機で「アップグレード」される方法 必要なのは“カネと度胸”?

航空会社には「アップグレード」と呼ばれる制度があります。とはいえエコノミークラスの搭乗券を握りしめ「もしかしたらアップグレードされるかも…」なんて期待は、ほぼ打ち砕かれるのが現実。それを可能にする方法はあるのでしょうか。

運だけじゃない、新しいアップグレードシステム

 航空会社には、予約した座席グレードよりも上の座席を旅客にあてがう「アップグレード」と呼ばれる制度があります。これはインボランタリーアップグレード、通称「インボラ」と呼ばれ、エコノミークラスがダブルブッキングで満席状態になった場合に、航空会社の地上職員がランダムに乗客を選び、プレミアムエコノミーやビジネスクラスなど上のクラスにアサインすることです。

 諸説ありますが、航空会社の地上職員は、この「選ばれし者」を決める際に、ステータス、乗客の服装、態度などを考慮し乗客を選ぶと言われており、日頃の行いとダブルブッキングをしている便にあたるという強運が必要です。 しかし「運」ではないアップグレードも存在します。航空会社によっては「入札制度(Bid)」を設けており、乗客が自身の持っているチケットに料金を少しだけ上乗せし、空席のあるプレミアムクラスにアップグレードを狙うことができます。

アップグレードで売上もアップする「入札制度(Bid)」

 飛行機は空席で満席でも、着陸料や駐機代は変わらず発生するため、満席の状態で飛ばすことが航空会社としては理想です。しかし閑散期などは空席が目立ってしまうことも多くあります。実際、ANAの2022年度の国際線座席利用率は74%程度です。 そこで、同じ利用客数で売上を上げるには、一人あたりの単価を上げることが必要です。空席を無駄にせず少しでも収益を上げるのが「入札制度」というわけです。 エアアジアやZIPAIRなどの格安航空会社で、アップグレードによりフルフラットになる座席を選べるケースなどもありますが、大手航空会社にも入札制度はあります。ビジネスクラスに通常料金よりも格安で利用できるのは嬉しいですよね。 この入札制度を日本路線で導入している会社は増えており、JAL(日本航空)、ANA(全日空)のほかハワイアン航空、ニュージーランド航空、エディハト航空、キャセイパシフィック航空などがあります。

「入札」ってどうやるの?

 航空会社によりますが、入札は大まかに「招待制」となっているケースと、自分でアップグレード対象便かを検索して「応募」するケースの2種類があります。「招待制」では、アップグレード該当航空券を購入している人へ、航空会社から「入札しませんか?」と招待メールが届きます。入札する場合は、その案内メールに従って金額を提示します。 一方、「応募」する入札制度では、乗客自身が航空券購入後に航空会社のwebサイト上で予約番号を基に、自分の航空券が入札制度対象かどうかを確認し、対象の場合は金額を提示します。「招待制」も「応募」も、アップグレード対象路線、空席数、チケットランクなど必要条件を満たせば入札可能となります。ほとんどの航空会社は1ランクアップ(ANAはエコノミー→プレミアムエコノミーのみ)が可能ですが、ルフトハンザ航空では2ランクアップ(エコノミ→プレミアムエコノミーまたはビジネスクラス)まで可能な場合があります。 なお、アップグレード後のクラスで受けられるサービスは、正規料金で購入した場合と変わりません。入札制度を利用したからと言って、座席はビジネスクラスなのに食事はエコノミークラスと同じ、ということは起こりません。 しかし、入札制度でビジネスクラスを利用した場合、ビジネスクラスのマイルは獲得できず、最初に購入したチケットクラスのマイレージが反映されるケースがほとんどです。

やってみた! とにかく心に余裕をくれた…

 筆者は以前、フィリピン航空の国内線(マニラ~セブ)チケットを購入した際、航空会社から入札制度がある旨のプロモーションメールが届き、利用してみました。 フィリピン航空は自由に金額が設定できるので、入札する前に搭乗機のビジネスクラスがほぼ空席だったのを確認し、最初は入札金額を1万2000円程度に設定。しかし、オークションと同じで一度入札すると絶対に手に入れたくなるのが心情というもので、結果が来るまでに入札金額を1万5000円に変更しました。その結果……無事に入札が成立したメールが届きビジネスクラス確定となりました。 実際に搭乗すると、その便のビジネスクラスは、まだまだ空きがあったので1万2000円でも成立できたのでは……と悔やまれましたが、恐る恐るお試しで挑戦した入札は大成功でした。 そのときのフライトタイムは1時間30分ほど。1万5000円を上乗せしてビジネスクラスに乗る価値があるかどうかは個人の価値観によるでしょう。しかし、地上でのラウンジサービスや優先搭乗、快適なシートでの旅は、心と時間に余裕を持たせてくれました。

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