空軍基地を閉鎖→「亡命移民のキャンプに」地元や議員が猛反発! そこは“伝説の基地”

イギリス空軍の伝説的な「ダムバスターズ」や「レッドアローズ」が使用したスキャンプトン空軍基地の跡地。ここが亡命希望の移民を受け入れ先になることをめぐり、地元が揺れています。

早ければ10月に移民の一時宿泊を開始

 イギリスのリシ・スナク首相は2023年9月11日、スキャンプトン空軍基地の跡地に亡命希望者の移民を受け入れる方針に関し、下院で同じ保守党議員から批判を受けました。

 事の発端は、2023年3月にロバート・ジェンリック移民大臣が、小型ボートで英仏海峡を渡って亡命をするためにやってきた移民のために、旧スキャンプトン空軍基地内に宿泊施設を設けるという見解を明らかにしたことから始まります。 同地は第二次世界大戦のダム破壊やドイツ戦艦「ティルピッツ」撃沈など伝説的な活躍を残した「ダムバスターズ」こと第617飛行中隊の元本拠地であり、ほかにも同国空軍のアクロバットチーム「レッドアローズ」が本拠地としていたことでも有名でしたが、2023年3月31日をもって閉鎖されました。 そのため、一部の歴史家は、この場所を移民の宿泊施設とするには不適切であると反対意見を表明し、地元住民の間でも強い反対の声があります。 同基地があるゲインズボローが選挙区である保守党のサー・エドワード・リー議員もそのひとりで、旧スキャンプトン基地が移民受け入れ先になれば「敷地内の指定建造物やダムバスターズの歴史遺産がどのように保存されるのか、またその地域に住む人々の安全をどのように守るのか」と抗議しました。 スナク首相は自身の選挙区にあるキャタリック駐屯地も移民受け入れ先として使うとしていますが、エドワード卿はその計画が全く進んでいないことに言及し、「首相が約束した通り、不法移民はいつキャタリックに配置されるのですか? 今すぐ、その日が知りたいのです」と批判したそうです。 なお、亡命を希望している移民は早ければ2023年10月には旧スキャンプトン空軍基地に到着するそうです。

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