日本唯一の「階段国道」なぜ生まれた? 一度は「クルマ通せるように…」検討も”結局そのまま”の経緯

青森県の竜飛岬近くにあり、一般にも広く知られる「階段国道」ですが、そもそもなぜ階段の区間が国道なのでしょうか。誕生の経緯を探りました。

ポイントは「学校」?

 青森県の津軽半島の北端、竜飛岬近くに、通称「階段国道」と呼ばれる国道に指定された階段があります。なぜこのような珍しい道ができたのでしょうか。

 この「階段国道」は、青森県弘前市から五所川原市、中泊町を経由して外ヶ浜町(旧・三厩〈みんまや〉村)に至る国道339号の一部で、竜飛岬の丘の上から、海沿いの漁港に通じる388.2mの区間を指します。青森県は公式ページ上で、国道339号を「日本で唯一の『階段国道』」と称します。 国道339号を管理する同県道路課によると、国道に指定されたのは1974年のこと。その経緯を担当者は次のように話します。「当時、坂道の中腹に中学校、上に小学校がありました。坂の下から中腹までの階段は国道指定時には存在しており、1980年代にはさらに、小学生の通学を楽にするため中腹から上の方にかけても階段が設けられました。1990年代中盤には、ふたつの階段が再度整備され、現在に至っています」 同課の担当者は、この区間が国道に指定された理由について以下のように推察します。「国道指定にあたり、(坂の上を通る区間と、下の海岸沿いを通る区間からなる)ルートを途中で分断させないよう、とりあえずこの区間も指定したというところではないでしょうか。クルマが通れるように拡幅する検討はしたものの、勾配がきつすぎることなどから、改良されずに残ったのでしょう」 なお、今後もこの区間が改良される計画はないとのことです。 一方で、地元である外ヶ浜町の産業観光課も、青森県同様に「もともと生活道路として階段があったところ、道路整備のために国道に指定されました」とその経緯をコメントしています。「ところが、70mという高低差や、民家が密集していることもあって、この区間の改良は手つかずのまま時が過ぎていきました。やがて『階段国道』の存在が有名になり、旧・三厩村も『そのまま観光地化したほうがいい』として、整備し直されたようです」(外ヶ浜町産業観光課)

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